米通販サイト大手、アマゾン・コム創設者のジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)は28日、1969年に月面着陸を果たした「アポロ11号」計画に使われた「F−1」エンジンを大西洋の海底で発見、回収する計画を進めていると発表した。
最新型の深海用ソナーを使い、深さ約4267メートルの海底で発見した。
アポロ11号計画には同エンジン5基が使用されたが、海底に何基あるのかや保存状態は不明。ベゾス氏はエンジンは高速で海面に落下し、塩水の中に40年以上浸かっていたが、頑丈な材料で造られていると述べた。エンジン1基の重さは約9トン。
同CEOは5歳だった1969年にアポロ11号打ち上げを見て壮大な夢を抱くようになったと振り返り、エンジン回収という大きな冒険に挑みたいと語った。宇宙開発関連の機器や備品収集の専門家は、エンジン5基がひとかたまりとなっているとしたら、大西洋で沈没した豪華客船タイタニック号の船体の大きな部分を引き揚げるような困難な作業になると指摘している。
エンジンは米航空宇宙局(NASA)と米政府の所有物となっているため、ベゾス氏は回収に成功した場合、シアトルにある博物館に展示されることを希望している。
F−1エンジンはロケット本体の推進力を確保するためのもので、打ち上げ後に切り離されて洋上に落下していた。1基の出力は3200万馬力で、5基を使って史上最大規模だったアポロ11号の本体を3分かからずに上空約61キロへと上昇させた。
エンジンは約40年間未発見だったが、NASAは破片の一部がドイツ船舶に落ちるなど着水海域を特定する一部の材料は得ていた。
アマゾンのベゾスCEO
▽記事引用元 : CNN 2012.03.29 Thu posted at: 17:07 JST
http://www.cnn.co.jp/fringe/30006063.html
参考
サターンロケッット第一段のエンジンテスト状況(動画)
イラン宇宙機関のファゼリ長官は30日、国産ロケットを使い、近く生きたサルを乗せた人工衛星を打ち上げると表明した。国営プレスTVが伝えた。
将来的に人間を宇宙に送るためのデータを入手することが目的。サルは約1年の準備期間中、必要な訓練を受けたという。人工衛星の帰還時期などについては触れていない。
人工衛星の打ち上げは、技術的には長距離弾道ミサイル開発に直結しており、欧米諸国から批判が出るとみられる。国連安全保障理事会の対イラン制裁決議は、弾道ミサイル技術を使った発射を禁じている。
イランの航空宇宙当局は今月23日に気象状況や自然災害に関するデータ収集を目的とする人工衛星「ファジル」を打ち上げるとしていたが、打ち上げは延期されている。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120531/mds12053100300000-n1.htm
「磁石でない磁気記録」を可能にする新しい記録材料の可能性
−磁化を持たない新しい電子スピン配列を発見−
平成24年5月24日
磁気記憶媒体に磁気のあるものを近づけデータが消えて真っ青になったという経験はありませんか?
でも、ご安心を…? 磁気の影響を受けない「磁石でない磁気記録材料」ができるかも知れません。
磁気記録材料には磁石としての性質が必要です。物質中の電子はマイナスの電荷を帯びて自転(スピン)しており、電子のスピンが同じ方向を向くと、その物質は磁石としての性質を持ちます。
電子スピンのN極がどちらを向くかでデジタル的な0と1を表します。
理研の研究者らは、人工金属酸化物「Cd2Os2O7」に着目しました。
この物質はマイナス52℃以下に冷やすと金属から半導体に変わる面白い物質です。
放射光X線を使い、この物質を構成する3つの元素のうち磁性をもつ可能性が高いオスミウム(Os)原子の電子スピン配列を調べました。
その結果、金属から半導体への変化に合わせ、4つのOs 原子が作る正四面体の頂点にある電子スピンの向きが、すべて内向き、あるいは外向きの2通りに並ぶことを発見しました(図)。
この配列だと、電子スピン同士が磁性を打ち消し合うため、物質全体としては磁石の性質を持ちません。
しかし、2通りのスピン配列があるので、デジタル的な0と1を表現可能で記録材料として利用できます。
Cd2Os2O7を磁性記録材料として使うには低温を保たなくてはならないなど実用化に向けての課題が多いですが、この成果を生かしてCd2Os2O7の特性を詳細に調べ、実用化可能な記録材料やセンサーなどの開発につなげていく考えです。
[発表者]
放射光科学総合研究センター スピン秩序研究チーム 有馬孝尚チームリーダー、
東京大学物性研究所 山浦淳一助教ら
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▽記事引用元 理化学研究所
http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2012/120524/index.html
プレスリリース
「磁石でない磁気記録」を可能にする新しい記録材料の可能性
−磁化を持たない新しい電子スピン配列を発見−
http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2012/120524/detail.html
すばる望遠鏡、ウルトラ赤外線銀河の謎を解明
- かすかな星の分布の様子が多重合体の証拠となった -
2012年5月24日
概要
愛媛大学宇宙進化研究センターの谷口義明 (たにぐち よしあき) センター長を中心とした研究チームは、すばる望遠鏡を用いた観測により、ウルトラ赤外線銀河 (太陽の1兆倍ものエネルギーを赤外線で放射している銀河) の代表格であるアープ 220 が、4個以上の銀河の多重合体である動かぬ証拠を発見しました。
ウルトラ赤外線銀河は激しい星生成活動の後、巨大ブラックホールをエネルギー源として非常に明るい放射をするクエーサーと呼ばれる天体に進化すると考えられています。
これまでは,単純に2個の銀河が合体することでウルトラ赤外線銀河が形成されたと考えられていました。
ところが、宇宙には銀河数個が群れている銀河群が多数あります。
今回の発見は、1つの銀河群に含まれる全ての銀河が合体し、ウルトラ赤外線銀河に進化したことを示しています。
今回の研究成果は宇宙における多様な銀河進化の新たな一面を明らかにしたものであり、ウルトラ赤外線銀河の成因に新たな知見を与えるものと期待されます。(研究者による解説ムービー)
研究の背景
ウルトラ赤外線銀河 (超高光度赤外線銀河) はその赤外線光度が太陽1兆個分もあり、
1980年代に行われた赤外線全天サーベイ観測で発見された不思議な銀河です。
これまでわかっている性質をまとめると次のようになります。
1. 銀河同士が合体してできた銀河
2. 激しい星生成 (スターバースト) が起こっている
3. 大量に生まれた大質量星は超新星爆発を起こし、銀河風が吹き荒れている (スーパーウインドと呼ばれる)
4. 超巨大ブラックホールが育ち、非常に明るい活動銀河中心核を持つようになる (クエーサーと呼ばれるものに進化する)
これらのウルトラ赤外線銀河の起源として考えられているのは銀河の合体ですが、論争がありました。
それは何個の銀河が合体したかということについてです。
1. 2個の銀河の合体 (米国のサンダース博士らが提案、注1)
2. 3個以上の銀河の合体:多重合体説 (谷口義明らが提案、注2)
現在、受け入れられている銀河形成論では、銀河は多数の合体を繰り返して、現在のような巨大な銀河に育ってきたと考えられています。ウルトラ赤外線銀河は近傍の (すなわち、現在の) 宇宙で観測される最も明るい合体銀河です。しかも、クエーサーに進化すると考えられており、銀河と巨大ブラックホールの進化という観点でも、非常に重要な位置づけにあります。したがって、その正体を明らかにすることはとても大切な問題です。
(※引用ここまで 全文は記事引用元をご覧ください)
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▽記事引用元 国立天文台 すばる望遠鏡
http://subarutelescope.org/Pressrelease/2012/05/24/j_index.html
図1: アープ 220 の可視光写真 (R バンド)。左はハッブル宇宙望遠鏡の ACS カメラで撮影された画像で、
右は研究チームがすばる望遠鏡の主焦点カメラ Suprime-Cam で撮影した画像です。
すばる望遠鏡で撮影した画像を見ると、アープ 220 の周辺に淡い構造が拡がっていることがわかります。
この構造は合体の際の潮汐効果で生じたものです。)。(クレジット:愛媛大学/国立天文台)
http://www.otanew.com/news_ai80yUimP0.html?right
■2012年11月27日が人類最期日!?
2012年5月25日、海外サイト「Weekly World News」が地球に迫ってきているエイリアンの巨大宇宙船3隻の続報を掲載した。
彼らは2012年11月27日に地球攻撃を開始するという衝撃の事実が報じられたのだ!
Three giant alien spaceships are getting closer Earth! They are on track to strike Earth on November 27th, 2011
■月面にレーザーを発射
国連の専門家はエイリアンの宇宙船の監視を続けている。
彼らは、先週の金曜日にエイリアンの宇宙船のうち一隻が警告のレーザーエネルギーによる警告攻撃を発射したことを感知した。その目標は我々の月であったのだ。
地球外宇宙船の世界的権威であるニーマル・バップ博士は語る。
エイリアンの宇宙船は5月23日に木星の右側を通過。もし、新月だった5月20日に南西の空を探していたならば5つの青い閃光を見ることができたであろうと――。
■天文学者も識別不能
高度な望遠鏡と天文学者であっても、このエイリアンの宇宙船を識別するのは困難なのである。
なぜなら彼らの宇宙船は、物理形態を「隕石」や「彗星」に変えることのできる高度な宇宙戦艦であるからだとしている。
今月21日に日本で観測された金環日食のデータを使って、これまで100年以上にわたって正確には分かっていなかった太陽の直径を、139万2020キロと精度よく求めることに国立天文台などの研究グループが成功しました。
今月21日の金環日食の際には「ベイリービーズ」と呼ばれる月の谷間からこぼれた小さな光が玉のように連なる珍しい現象が全国で観測されました。
国立天文台の相馬充助教らのグループは、このベイリービーズの詳細な観測データから、正確には分かっていない太陽の直径を求めようと全国に呼びかけてデータを集めました。
そして、光の玉が月のどの谷間によってできているのかを月探査衛星「かぐや」のデータと照らし合わせて割り出し、観測地点からその谷間を通る直線を引いて太陽の中心との間で直角三角形を作りました。
その結果、太陽の半径が求まり、最終的に太陽の直径は139万2020キロと精度よく計算できたということです。太陽の直径を巡っては、およそ120年前から欧米の研究者が地上の望遠鏡などを使って直接観測して求めていましたが、この方法だと太陽のふちが正確に把握できず、これまで測定された値は、139万1000キロ前後から139万2300キロ前後まで1300キロものバラツキがありました。
相馬助教は「NASAでも成し遂げられなかったことを日本の科学技術でできたことはとてもうれしい。全国の多くの方々の協力があって得られた結果です」と話していました。
研究グループでは今後、データの検証を行い、ことし秋ごろに正式に発表したいとしています。
▽記事引用元 : NHKニュース 5月25日 5時7分 *リンク先に動画あり
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120525/k10015364091000.html
関連:国立天文台が撮影した金環日食
http://www.nao.ac.jp/news/topics/2012/20120521-eclipse-naoj.html
民間宇宙船ドラゴン、打ち上げに成功 May 23, 2012
スペースX社の民間ロケット「ファルコン9」が、米東部標準時5月22日午前3時44分(日本時間午後4時44分)、フロリダ州のケープカナベラル空軍基地から打ち上げられた。
ファルコン9は、民間宇宙船として初めて国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングに挑戦する無人
カプセル型の「ドラゴン」を搭載している。ドラゴンは約10分後に所定の軌道に入り、打ち上げは成功した。
当初は19日に予定されていたが、ロケットのエンジン9基の1つで燃焼室に異常な圧力上昇を検出、22日に延期されていた。
スペースXのCEOイーロン・マスク氏は打ち上げ直後にTwitterで、「ファルコン、打ち上げに大成功!肩にのしかかっていた重荷が取れた :)」と報告している。
また、打ち上げ後の記者会見では、「あの瞬間はアドレナリンが全身をかけめぐった。スーパーボウルで優勝したような気分だ。残りのミッションで何が起ころうとも、この成功に変わりはない」と喜びを語った。
NASA長官のチャールズ・ボールデン氏は、「絵に描いたような見事な打ち上げだった」と記者団にコメントしている。
「アメリカだけでなく世界にとっても素晴らしい日となった。スペースシャトルの退役後、NASAは姿を
消したと思っている人もいたが、今日の打ち上げがNASAの存在を証明してくれたと思う。スペースX社
との共同チームで大成功を収めることができた」。
スペースX社社長のグウィン・ショットウェル(Gwynne Shotwell)氏は、ミッションの一環として、
ファルコン9で遺灰を地球周回軌道上に放ったことを認めた。
宇宙葬ビジネスを展開するセレスティス(Celestis)社と協力して実施され、報道によると希望者300人以上の遺灰が搭載されていた。テレビシリーズ『スタートレック』で「スコッティ」(日本語版は「チャーリー」)を演じたジェームズ・ドゥーアン氏や、マーキュリー計画に参加した宇宙飛行士ゴードン・クーパー氏も含まれていたという。遺灰の身元については、ショットウェル氏はコメントしていない。
ISS滞在クルーへの物資を積んだ円錐形のドラゴンは、打ち上げから約10分後にロケットから分離、太陽電池パネルを広げた。打ち上げを中継したインターネットライブでスペースX社関係者は、「現在、
ドラゴンは地球周回軌道上を飛行している」と伝えている。
今後数日間はシステム制御などの試験を実施し、問題がなければ25日にISSとドッキングする。
NASA有人探査活動部門の副部門長ウィリアム・ガーステンマイヤー(William Gerstenmaier)氏は、
「一部の試験に失敗しても、デモフライト全体としては及第点が与えられるだろう」と語る。
「今後NASAではミッションの進行状況を確認し、データを分析する。小さな問題は克服可能で、民間の
補給機の完成に近づく。解決すべき課題が相当残っている場合は、もう一度デモフライトを実施した方がいいだろう」。
ドラゴンは31日にISSを離れ、南カリフォルニア沖の太平洋に着水、船で回収される予定。
▽ナショナルジオグラフィック
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20120523001&expand#title
記事英語原文 SpaceX Launches for Space Station―Like "Winning the Super Bowl"
http://news.nationalgeographic.com/news/2012/05/120522-spacex-launch-falcon-9-international-space-station-science/
▽画像 アメリカ、フロリダ州ケープカナベラル空軍基地から打ち上げられるスペースX社の民間ロケット
「ファルコン9」(2012年5月22日撮影)
<月の歴史遺産を守ります NASAが指針作成>
【ヒューストン共同】「アポロ宇宙船が着陸した場所には立ち入りさせません」。
米航空宇宙局(NASA)は24日、約40年前の米アポロ計画による月探査で宇宙飛行士が残した足跡など、「月の歴史遺産」を保護する指針を作成、民間による月面着陸を推進する団体と指針を尊重することで合意したと発表した。
合意した非営利団体「Xプライズ財団」は、米グーグルと協力して、月に無人着陸機を打ち上げて探査を成功させた民間チームに総額3千万ドル(約24億円)を贈る賞金レースを開催している。
2012/05/25 11:38 【共同通信】
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▽記事引用元 47NEWS
http://www.47news.jp/CN/201205/CN2012052501001497.html
画像:探査機がとらえたアポロ17号の着陸地周辺の画像(NASA提供)
▽関連記事
朝日新聞デジタル 2012年5月25日19時18分配信記事
月面着陸地点は「立入禁止」 NASAが指針
http://www.asahi.com/science/update/0525/TKY201205250395.html
米国が月面に残してきた星条旗=NASA提供
▽関連サイト
・X PRIZE Foundation | Revolution through Competition
NASA OFFERS GUIDELINES TO PROTECT HISTORIC SITES ON THE MOON
http://www.xprize.org/press-release/nasa-offers-guidelines-to-protect-historic-sites-on-the-moon
画像
動画
近づいた星に猛然と襲い掛かる、星を飲み込むブラックホールの撮影に成功(米研究チーム)
米国の研究チームが超巨大ブラックホールが近くの星を飲み込む一部始終の観測に成功した。1万年に1度ほどしか起こらないまれな現象だという。周囲の物質を吸い込むブラックホールは普段は銀河の中心に潜んでいて確認されにくいが、吸い込まれた恒星のかけらによって時折その存在を追うことができる。
米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの研究者ライアン・チョーノック氏は「ブラックホールは、サメのように底無しの胃袋を持った殺害マシンだと誤解されている」と話す。
「しかし、実はその一生のほとんどを静かに過ごしていて時折、近づき過ぎた星に猛然と襲い掛かるだけなのだ」
ブラックホールに接近し過ぎた星は、ブラックホールの重力によって引き裂かれ、ガスを吸い出される。そのガスが摩擦熱で光ることによって、普段は静かな宇宙の殺し屋の隠れ家が明らかになるという。
チョーノック氏らは米ハワイ州マウイ島のハレアカラ山にある望遠鏡や米航空宇宙局(NASA)の衛星を用いて、このガスのフレアを2010年5月に初めて確認。光が消えるまでの約1年間、観測を続けた。観測を数か月続けた結果、27億光年離れた銀河の中心にあるブラックホールを特定。
犠牲となった星は恐らく星の晩年にあたる赤色巨星段階に達した恒星で、1天文単位(地球と太陽の間の平均距離、約1億5000万キロ)の3分の1ほどの距離までブラックホールの近くに迷い込んだため、
不運な最後を遂げることとなったとみられる。
観測チームによれば、飲み込まれた恒星は以前にブラックホールの近くを通過した際に外層の水素を失い、残ったヘリウムの核も2度目の接近で吸い取られたと考えられるという。
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52082960.html
太陽系で新たな惑星を発見?
太陽系の暗い外縁部に、未知の惑星が存在している可能性が明らかになった。外縁天体の奇妙な軌道が、未知の惑星の存在を示唆しているという。
冥王星のさらに外側を周回する小さな氷の天体(想像図)。Illustration courtesy G. Bacon, STScI/NASA
リオデジャネイロにあるブラジル国立天文台(National Observatory of Brazil)の天文学者ロドニー・ゴメス(Rodney Gomes)氏は、「望遠鏡など視覚的には遠過ぎる距離だ。“カイパーベルト天体(KBO)”の軌道の乱れから導き出す手法を採用した」と話す。
KBOは海王星軌道より外側でリング状に密集した小さな氷の天体の総称で、いくつかの準惑星も含まれる。
例えば、かつて太陽系9番目の惑星と考えられていた準惑星、冥王星は最大級のKBOで、直径は約2300キロ。ほかにも直径数百キロの天体が10以上あり、毎年新たに発見されている。そのほとんどが、太陽から60億〜75億キロの範囲に散らばっている。
ゴメス氏の計算によると、外縁天体「セドナ」を含む6個のKBOが、既存の太陽系モデルでは説明できない奇妙な軌道を描いている。
その理由は複数考えられるが、「“惑星の質量を持つ太陽の伴星”と考えれば最も簡単に説明できるだろう」とゴメス氏は語る。つまり、太陽から非常に遠い軌道を周回しながら、KBOに重力的な影響を及ぼすだけの質量を持つ惑星という説だ。
◆謎の惑星は捕らえられた“はみ出し者”?
ゴメス氏はまず、92のKBOが描く軌道を分析した。さらに、新たな惑星が存在する場合としない場合、これらの天体の軌道がどのように乱されるかをコンピューターモデルで再現。分析結果をコンピューターモデルと比較した。
惑星が存在しないと仮定した場合、6つの天体が描く極端に細長い軌道は再現できないとゴメス氏は結論付けている。惑星の正確な大きさはわからないが、さまざまな可能性が考えられると同氏は述べる。
海王星(地球の約4倍)ほどの大きさで、2250億キロ(太陽・地球間の約1500倍)の軌道を周回する惑星であれば、6つの天体の軌道を乱すことができるという。
また、地球の約半分しかない火星サイズでも、軌道が極端に細長く、太陽から80億キロまで近づくことがあれば同じ現象が発生する。
謎の天体は元の恒星系からはじき出され、太陽の重力によって捕らえられた「自由浮遊惑星」ではないかとゴメス氏は推測している。
あるいは、太陽に近い場所で形成され、ほかの惑星との重力的な相互作用によって外縁部まで押し出された可能性もある。
しかし、このような惑星を実際に見つけ出すのは至難の業だ。まず、かなり暗い惑星だろう。しかも、ゴメス氏のシミュレーションでは、存在が予想される場所の手掛かりさえ得られていない。「どこにあってもおかしくない」と同氏は話している。
◆動かぬ証拠がない
ほかの天文学者も興味を示しているようだ。しかし、より多くの証拠が提示されない限り、冥王星の後釜が存在するという説を受け入れることはできないと口をそろえる。
アメリカ、メリーランド大学の天文学者ダグラス・ハミルトン氏は、ゴメス氏の発見は決定的と言える段階ではないと考えている。「彼が提示した研究結果はわずかに可能性を高めただけだ。動かぬ証拠は見つかっていない」。
研究結果は5月8日、オレゴン州のホテル、ティンバーライン・ロッジ(Timberline Lodge)で開かれたアメリカ天文学会の会合で発表された。
Richard A. Lovett in Timberline Lodge, Oregon/National Geographic News May 14, 2012
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20120514001&expand#title
太陽系で新たな惑星を発見か?太陽系の暗い外縁部に未知の惑星が存在している可能性が明らかに
カラパイア 2012年05月19日
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52084430.html