Photo:Black Hole Outburst in Spiral Galaxy M83 (NASA, Chandra, Hubble, 04/30/12) By NASA's Marshall Space Flight Centerバルジが重い銀河は赤い
バルジと呼ばれる銀河中心部の膨らみ部分の質量と銀河の色とは、比較的単純な関係にあることが、50万個もの銀河の解析から明らかにされた。
カナダ・ビクトリア大学のAsa Bluckさんたちの研究グループは、スローンデジタルスカイサーベイ(SDSS)のデータを用いて、50万個もの銀河を質量や形、色によって分類した。さらに、パターン認識ソフトウェアを使って個々の銀河の形を詳しく調べ、銀河に存在する赤い星の割合が他の物理量とどのような関係を見せるのか確認した。
その結果、銀河の色とバルジ(中心部の膨らみ)の質量が、比較的単純な関係にあることがわかった。銀河円盤の大きさに関係なく、バルジの質量そのものが銀河全体の色を知る鍵ということだ。バルジの質量が一定以上の場合、銀河は赤く、そこに若い星は存在しないのである。
「より大きなバルジはより赤い銀河であるという、比較的単純な今回の結果が示している事柄は重要です。バルジが大きいということはブラックホールも大きく、ブラックホールの活動によって星形成が止まってしまうからです」(Asaさん)。
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シミュレーション研究で超新星爆発の「ニュートリノ加熱説」が有望に
スーパーコンピュータ「京」を用いた研究から、重い星が重力崩壊して最期を迎える超新星爆発はニュートリノ加熱によって起こる可能性が示された。京の高い能力を活かし、より現実に近い設定でシミュレーションを行った成果によるものだ。
超新星爆発は複雑な高エネルギー現象が絡みあうため、どのようなメカニズムで起こるのかを解き明かすのは天文学者が50年も頭を悩ませている難問だ。
今回、スーパーコンピュータ「京」を用いることで従来より現実に近い設定で超新星爆発の計算を行うことができるようになり、自然な仮定のもとで超新星が爆発する初めての例が得られた。シミュレーションでは、ニュートリノによる加熱で衝撃波の内側で対流が起こり、対流がさらに加熱を促進して衝撃波が成長するというメカニズムで超新星が爆発する様子を作り出すことができた。これはニュートリノ加熱説を支持する、強力な証拠と言える成果である。
一方で、超新星の観測からわかる典型的な爆発エネルギーの10分の1程度の爆発しか再現できていないことや、今回のシミュレーションより重い星でも爆発の証拠が得られるかどうかを確認するなど、残された課題もある。
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板垣さんがきりん座の銀河に超新星2014ajを発見
山形県の板垣公一さんが3月24.465日(世界時/日本時では20時ごろ)、きりん座方向の銀河UGC 3252に超新星2014ajを17.3等で発見した。超新星の位置は以下のとおり。
赤経 05時11分43.96秒
赤緯 +67度29分29.4 秒(2000.0年分点)
伊・パドヴァ天文台の分光観測から、3月24日時点で極大1週間前のIa型超新星とみられる。
板垣さんの超新星発見は今年4個目、通算では94個目(独立発見を含む)となった。
超新星2014ajの発見画像(十字マーク)。クリックで広域表示(撮影:板垣さん)
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固体・液体・気体、3つの状態が1度に起きる「三重点」
Triple Point=三重点という魔法のような状況が、科学の世界にはあるんですって。
例えば水の場合だと温度が0.01℃、圧力が0.006気圧の時に、液体・固体・気体が同時に存在することができる、それがこのフラスコの中の状態です。
研究室など特別な機関以外で目にすることはない、とても珍しい状況です。動画越しでもビックリ。
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矮小銀河の中心にも重いブラックホール
多くの銀河の中心にある超巨大質量ブラックホールはどのように生まれたのか。そのヒントとして観測された矮小銀河のブラックホールが、予測よりも重いことがわかった。現在の有力説に異を唱える結果となるか、さらなる確認が待たれる。
NASAの天文衛星「WISE」の全天赤外線観測データから、数百個の矮小銀河の中心にブラックホールが見つかった。これらのブラックホールは予測よりも重い、太陽の1000~1万倍の質量を持つ。
矮小銀河は大規模な進化プロセスを経ていないので、宇宙初期のころの原始的な銀河と類似していると考えられる。研究では、こうした矮小銀河のブラックホールを見ることで、宇宙初期にブラックホールがどのように生まれ、現在のような太陽の数百万~数十億倍もの質量を持つ超巨大ブラックホールに成長したのか、そのヒントを得ようとした。
矮小銀河の中心ブラックホールが意外に重いということは、現時点で広く知られる「銀河合体説」に異を唱えるものだ。この説のシナリオは、宇宙初期に銀河同士が衝突合体し、それぞれの中心ブラックホール同士も合体してどんどん重いブラックホールができていく、というものだ。だが、もし原始銀河のブラックホールが今回観測された矮小銀河のブラックホールくらいの質量があったならば、合体を経ずともすでにじゅうぶん大きいということになってしまう。
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