え、「なら、書くなよ」って、はいそうですね。すみません。まあ、勉強の合間にちょっと読んでやるか、と思って頂ける心優しい方々、歳末助け合い募金にお金を入れる心境で、少しの間お付き合いください。
私は大学四年時に、人生唯一の海外在住経験が約9ヶ月あります。「外大生なのに海外で暮らしたことが無いのはいかがなものか」と思い立って、米国の片田舎にある小さなカレッジに
で、当然現地に到着してすぐに、いろいろとカルチャーショックを受けたわけですが、学生寮に入寮してなんとか暮らし始めたんですね。コレクトコールを日本に掛けようとして英語が通じずに情け無い経験をしたことは以前のエントリーに書きましたが、まあ、同じく異国から来ている留学生と仲良くなったり、テニス部に入ったりと、楽しいキャンパスライフがスタートしたわけです。
そんな入寮して間もないある日、私が部屋で一人で本を読んでいると、開けっ放しにしてあった部屋のドア口のところに誰か立っている気配がします。本から顔を上げて見ると、同じ寮に住んでいるJoeでした。巨漢の米国人で、「酔っ払って喧嘩して相手に重傷を負わせて刑務所に放り込まれ、住んでいたアパートを追い出されて入寮して来たが、今では部屋でドラッグ三昧」という、できればあまり関わりたくないヤツです。
「何の用だろう?」と思いつつ、私が「Hi Joe. What's going on?」と話しかけたところ、入り口に仁王立ちしたまま、三白眼で私をじっと見据えつつ、Joeが言い放った言葉は、
Do you got the money that I can borrow?
でした。
この英語には衝撃を受けたので、今でもその時のことははっきり覚えています。
以下、その時の私の思考。
えーJoeさん、その英語は間違いです。今の疑問文を肯定文にすると、「You have got the money that I can borrow.」ですよね。 この場合、動詞はgotで、haveは助動詞です。つまり、これを疑問文にするのであれば、
Have you got the money that I can borrow?
が正しい英語になります。Do you~? を使いたければ、
Do you have the money that I can borrow?
にすればOKですね。良く日本人も間違えるパターンです。気をつけましょう。以上TEX加藤のワンポイント英会話講座でした。
と、わずか数秒間の間にこうした思考が頭の中を駆け巡りつつ、どう考えてもそんなことを言えるシチュエーションではなく、もう訳が分からなくなった私は、日本人特有の、
「無言のへらへら笑い」
で返してしまったんです。で、当然、そんな日本人的な「わびさびコミュニケーション」は通じるはずもなく、
「What are you laughing about?(この英語は正しい!)」
とすごまれてしまったわけです。
「うわーやっぱ通じんか。ほとんど恐喝やん。どないしよー」などと焦りつつ、私はとっさに機転を利かせ、机の中にあった50円玉と5円玉を取り出し、「これは日本の硬貨なんだけど、穴が開いているのって珍しいよね。米国の硬貨にはないよね。それ自体にあまり価値はないんだけど、持っていれば友達に自慢できるし、話のネタにもなるからよかったらあげるよ」と言ってそれぞれ数枚をJoeに渡したところ、「ふーん。確かに珍しいな。いいのか、もらって」と不思議そうな顔をしてJoeは去っていきました。
いやあ。今だからこうやって冷静に書いていられますが、あの時は多分冷や汗たらたらでした。皆さんもこういう危機的状況に置かれたら、英会話が上達するかもしれません。英検1級の二次対策としても役立つのではないでしょうか(大嘘)。
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加藤さんも外大だったんですね。
私も外大だったんですよ。
さらに私の留学先もアメリカにある片田舎の小さなカレッジでした。
妙なところで親近感が沸いてきますね。
今はどうなんでしょうかね。当時は外大といえど海外との交流に学校はまったく
積極的ではなくて、全部自力で手配した記憶があります。きっともっと国際交流が
盛んになっているんだろうなあとは思いますが。経理のお仕事&英語の勉強に
努力されているので、私もサラリーマンとして励みになります。互いに頑張りましょう!
いつもブログは参考にさせていただいております。今後ともよろしくお願いいたします。
TEX加藤さん、こんばんは!
一瞬じゃなく、いっぱい笑わせていただきました!
おっと、いけない! ここには勉強しに来たはずなのに。。。(笑)
そんなオドシを受けているそばから、文法チェックしている
TEXさんはやはり偉大だ。
いつか使うかもネタ帳にいれとこっと!(私が実践英語を使う日は来るのかしら??)
が、まったく外国の大学との交流が無く、当然そんなシステムも無い大学でした。でもまあ、自力で留学したのは良い経験でした。ブログ参考にしていただいてありがとうございます。来週はいよいよ11月のTOEICのネット発表ですね。自己最高だとよいですね。
ネイティブなのに文法が思いっきり適当なのにはびっくりしましたが、それどころでは
ありませんでした。Joeは実は危うく私のルームメイトになるところだったんですよ。
そうなっていたら人生変わっていただろうなあ。
かなり面白い記事でした。
恐喝されてるのに、冷静な思考をしかもヘラヘラ笑いをしながらしているという高速回転の思考ですね。
持っていなければ、あの場をしのぐことは難しかったですね。インプットとアウトプットの
良い練習になりました、って今だから言えるわけですが。
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