<文化の森 Bunka no mori>
災害の当事者と非当事者の間に線を引くことはできるのだろうか。痛みを訴え、悲しみを語るのが許されるのは、限られた人だけなのだろうか。作家の砂原浩太朗さんの新刊『冬と瓦礫(がれき)』(集英社)は、災害の「当事者性」を巡る小説だ。執筆のきっかけに、1995年の阪神大震災で感じた戸惑いがあるという。
山本周五郎賞受賞作『黛(まゆずみ)家の兄弟』や『高瀬庄左衛門御留書(おとどめがき)』で気鋭の時代小説家として注目を集める砂原さん。本作は砂原さんにとって初の現代小説でもある。故郷の被災を知り、東京から神戸に戻る主人公・圭介の物語は、30年前の実体験が下敷きとなっている。
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