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2020年3月

暗渠パラダイス!のみどころ その1

すっかり世の中コロナの影響下で、先月上梓した『暗渠パラダイス!』の発売関連イベントは、代官山蔦屋さんの1つをギリギリの状況で行えた他、全て吹っ飛び中。イベント準備の慌ただしさが一次的に減少しているので、こちらでみどころ(?)や、盛り込めなかった関連ネタなどを書いていこうかと思う。

目黒考二さんが『暗渠パラダイス!』の感想(?)を書いてくれていた。
わたしにとっては「そこ」に反応してくれていることが、本当にうれしい記事。
『暗渠パラダイス!』と『贋の偶像』

目黒さんと話したとき、板橋競馬場のことを本当によく調べてらっしゃるのが、話の端々からわかった。

あそこの写真資料が希少であることは自分も感じていた。だから『暗渠パラダイス!』での、自分の「競馬場と暗渠」の箇所では、板橋は「地形図で」出すかあるいは出さないか、という予定でいた。

ところが朝日新聞社さんのデータベースで念のため調べてもらったところ、この絵はがきが出てきて、まさにわたしも

 

「なんだこれは!!」

 

となり、興奮のままに、

 

「こここ、これは貴重だし地面の様子もわかるから載せないと!!」

 

と、なったのだった。

 

暗渠パラダイス!には、実はこういった希少な写真資料をちょこちょこと掲載している。

暗渠関連の古写真、古新聞はもともと好んで蒐集しているので、その経験上、「その地域で何度も見かける写真」と、「こんなの初めて見た!」となる写真とがある。『暗渠パラダイス!」では、後者をより多く選択している。

 

目黒さんの記事を受け、「競馬場と暗渠」に限定していえば、

 

・目黒競馬場・・・目黒競馬場の郷土資料には見かけないような、朝日新聞掲載の航空写真を見つけたので、より解像度が高いものが朝日新聞社にないか調べて貰ったが、残念ながら無かった。よって新聞のコピーになっているが、希少なのではないかと思う。

・根岸競馬場・・・これは馬の博物館に行くと見られるし、書籍『根岸の森の物語』にも載るものだが、逆にそれら以外では見かけない。最も彼の地の「スリバチ感」が出ているので採用した。

・柏競馬場・・・これも柏市所有で柏の歴史アルバム的資料では見かけるものの、こんな風に地形がはっきりと分かる写真は大事なので、採用した。

 

というふうに、それぞれに選択ニュアンスは異なっている。やっぱり、ド興奮したのが、板橋競馬場絵はがき、だったのだ。

 

他の章にも、あるいは、ボツ写真の中にも、こんなふうに興奮した資料が存在している。版元が朝日新聞出版さんゆえ、独自に所蔵している珍しい写真に出会うことが少なくなく、執筆中はそれが完全に俺得であった。感謝。

そんな風に、各章の古写真にもちょっと目を向けてみてもらえたら、うれしいです。

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