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日本堤ポンプ所見学

誰もが認める猛暑のある日。
日本堤に行ってきました。

前に来た時のようには、もう迷いませんぜ。

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以前もちらりと書いた、音無川(の下流というか山谷堀の付け根というか)と千束堀川の接続地点にあるこのポンプ所がこの日の目的地です。その水路跡に、まず佇みます。でも、どうやらこっちの入口は裏口だった模様。ぐるっとまわって・・・

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入口でジュースなどをもらい、ヒィフゥ言いながら2階に上って、施設内を見学させてもらいます。これまでの見学会同様、下水道局の方がリレーで説明してくださいました。

ここは、台東区の一部に降った雨水を集め、排水するためのポンプ所なのだそうです。なんでか、今まで来たポンプ所はすべて雨水専用なんです。

ガスタービンと、ポンプの上端が見えます。

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次は、ここから階下に行きます。

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雨水が通る、大きな大きな管。

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これがポンプです。両国のものに比べたら小さいけれど、そのぶん近くで見ることができます。
2種類のポンプが6台ありました。以前は、2台だったのだそうです。

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このスクリューが回転して水を吸い上げます。

しかし・・・なんだか、これまで見学してきた施設と違って、屋内に居ても妙~に暑いんです。ほかと違って地下深くではないので、ひんやりしてないというのもあるだろうけど、空調は??・・・ここ、普段は無人なのだそうです(だから空調設備が機能しないのかどうかわからないけど;;)。もとは有人でしたが、今は蔵前ポンプ所からの遠隔操作をしています。

ポンプを間近で見たら、あとはすぐ横の出口からヒョイッと出て見学はおしまいw

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そしてお土産をもらい、帰りは正面らしき側から出ました。それにしても大きな建物で、無人だなんてびっくりします。

頂いた資料によれば、ここはもともとは”浅草ポンプ所”という名でした(住所が浅草田町だったため)。大正11年に誕生した、煉瓦造りのレトロな建物で、地元のひとたちからは”赤レンガ”と呼ばれていたのだそうです。その後”田町ポンプ所”に、そして昭和36年に”日本堤ポンプ所”に改称しています。
完成直後の写真を見ると、放流口がポンプ所の真ん前に見えます。大きなアーチ形の吐口が5つも。その位置は吉原側であり、つまり山谷堀ではなく千束堀川のほうに向かっているように見えます・・・千束堀川が、まだ開渠だったのでしょうか?

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昭和23年の航空写真を見ると(gooさんありがとうございます)、こんなふうになっていました。赤レンガ時代のポンプ所です。千束堀川のうち、ここだけが残され、山谷堀がL字型に延びているように見えます。山谷堀本流にはずいぶん船が泊まっています。
先述の5つの吐口が、この写真でも見えていますね。

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昭和38年の写真(gooさんありがとうございます)では、こうL字の先端は埋め立てられ、そして建物が建て替えられています。現在の建物は昭和37年につくられたということなので、この写真は、まあ(なんか前後するけど写真が前のなのかな;)、だいたいその時期ということになります。

千束堀川のうち、このポンプ所脇の部分だけ埋められた年代が違うということでしょうか。そして、

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その名残は、今も地面のちょっとした違和感として残っています(yahooさんありがとうございます)。

・・・では、ここに集められた雨水は、どのような経路で放流されるのでしょうか。
実はこの話を通し、今回初めて、下水道局の方と暗渠の話を積極的にすることが出来ました!!放流先は、山谷堀暗渠(=雨水排水専用管渠)なのだそうです。

つまり、今の山谷堀の真下には、下水がさらさら流れているのではなく、大雨が降ったときにだけ雨水が押し流される・・・すなわち普段はカラカラのときが多い、ということになりそうです。

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いっぽうで、隅田川の潮位によっては、海水がポンプ所まで遡ってくることもある、というお話も伺いました。ここの地下で、海水の塩分が検出されることがある、と。

ここで素朴に思うのが、「では、満潮時に大雨が降ったらどうなる?」ということ。尋ねてみると、下水道局の方曰く、「ポンプの強い圧力で押し流す!!」とのことでした。それだけ聞くと怖いけれど、その前に、上流にある堀切の水門で調節し隅田川の水位を下げるのだそうです。そんなふうに人々の知恵でシステマティックに支えられつつ・・・満潮×大雨時の山谷堀の地下では、そのような雨水と海水のせめぎあいが生じるようです。

考えてみれば隅田川の潮位により海水が云々というのは、開渠だった頃の山谷堀と同じ現象かもしれません・・・しかし現代の山谷堀暗渠では、大雨のときにはちょっと不自然なことが起きて、そうじゃないときにはカラカラのことが多いのかもしれなくて、でも、付近の方々の暮らしを守る、大切な場所であることは間違いありません。

過去の山谷堀について、マナイタブログに秀逸な考察があります(”源頼朝と山谷堀”)。太古の山谷堀・・・そして今の、この姿を、交互に想ってみるのもまた一興かと思います。

さて、この日のお昼は、と・・・

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土手の伊勢屋。ポンプ所から至近距離です。
この建物に一度入ってみたかったのです。

そして、もちろん・・・

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天丼、どーーーん!
いちばん安い(イ)天丼ですがこのすんばらしいボリューム!!イカやわらかーーーいー。エビでかーーーい!

モウモウに暑い日だったわけですが、熱っつい緑茶に、熱っつい味噌汁。そして熱っつい揚げたての天ぷらとご飯をかき込んで。ん~、江戸っ子だね!おいしいので、最後の一粒まで食欲が落ちません。

ふぅ。団扇でひと仰ぎ、ひと休み。閉店間際だったので、そそくさと。

おとなりも名店、桜鍋の中江。ここも未訪で、いつか、と思っているお店です。
吉原行く前に馬肉で精力つけて、ってね。・・・中江だけじゃなく、もう少し三ノ輪寄りには”吉原土手 馬肉の千葉屋”もありました。

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開店前?のようでしたが、タテガミなどの表示が見えます。馬油もたくさん売ってます。
どうやら酒場放浪記でも立ち寄った模様。馬肉ハンバーグなんてあったんですね。

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土手の薬屋もありました・・・”土手の”って、きっと江戸の頃からの呼び名なのでしょうね。

続いて、吉原へ。

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いやはや、ポンプ所でも伊勢屋でも、熱い中やせがまんをし続けていたら、だいぶ体がマイってきました。当初は吉原に残る妓楼を探索して帰ろうと思っていたのですが、見られたのはたまたま通り道にあったこの建物だけ。・・・でもコレ、すごい迫力。
おはぐろどぶリベンジは、またの機会といたしましょう。

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千束堀川を下って帰り、あとは、夜のビールを少しでもおいしくしようと、テクテク歩いて浅草へ・・・行こうとしたら、軽い熱中症になってえらいめに遭う、というオマケつきでした。
夏のさんぽは、気を付けなきゃいけませんね・・・。とほほ。

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今回いただいたお土産はコレです。
エコバック、ウェットティッシュ、洗い物用ハケ、油拭きとり用紙、レシピ集など。あと、お花。
下水道局さま、今回もどうもありがとうございました!

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コメント

ポンプ所内の大きなモーターや機材、計器のルックスが、YMO「テクノデリック」的でたいへん好きなんですが、それらも場所によって随分違うのかもしれないな、とうすうすわかってきましたw
満潮での雨を「押し流す」のは驚きますね。それはもはや「ポンプ以上の何か」のようですね。それと、その経路。山谷堀はそんな風に使われてたんですね。ってことは、山谷堀上にあるマンホールには、「合流」でなく「雨水」って書いてあるんですかね…?確かめてみたくなりました!

投稿: lotus62 | 2012年8月22日 (水) 13時04分

>lotus62さん

そうなんです、ポンプ所内の機械たちは少しずつ改良されたりなんだりで、年代によって結構違うようです。今回はとりわけ「古い」ポンプ所だったので建物の構造もずいぶん他所と違いました。
あー。。山谷堀のマンホール、少し飛び出ていたので目についてたんですが、表記を忘れてしまいましたー。うーん、吉原とセットでリベンジですかね。

投稿: nama | 2012年8月22日 (水) 15時36分

めっちゃウチのそばー!!日本堤にポンプ所なんてあったんですね~!!伊勢屋さん、美味しいですよね(*^-^)

投稿: ジプキン | 2012年8月24日 (金) 19時12分

>ジプキンさん

おおお。ポンプ所あるんですよ~。伊勢屋さんは、おいしいうえに、なんだかお腹以外のいろんなところも満たしてくれる感じがしますね~。
ほんとは、kekkojinさん推しの、あこがれのニュー王将も行きたかったんですけど、それはまた次の機会にします。

投稿: nama | 2012年8月25日 (土) 07時28分

近所のこの施設がどうゆうものなのか調べていたところこちらのブログにたどり着きました。
いつも暗く人の気配がないと思っていたのですがまさか無人だったとは…
長年の謎が解けました。ありがとうございます。

投稿: cara | 2023年3月21日 (火) 17時26分

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