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次回アップ予定:Scene-555 古利根川『赤沼水管橋~古利根橋』 (2020/03/09)
[Vol-02] 今回は古利根水管橋から右岸上流方向で最後に寄った、林泉寺からの継続遡上で、寿橋、古利根堰管理橋、堂面橋までの紹介です。では、林泉寺から西600m程に在る、護郷(もりさと)神社に行きます。
創建は不詳ながら、江戸時代には浅間神社と呼ばれ、増林村の鎮守として祀られてきたそうです。1913年(T2)に下前の香取神社、八幡神社、天神社、神明社、水神社、稲荷社、第六天社、浅間神社、中島村の稲荷社などを合祀して護郷神社と改称されました。祭神:木花咲耶姫、所在:越谷市増林3199。鳥居は1924年(T13)の建立です。途中の道端に咲いていた薄紫色の花は、イヌサフランの八重咲き種です。境内の石灯篭は1773年(安永2)の建立です。
護郷神社から北へ370m、古利根川に戻ります。河川敷に前波の水位観測所が在りました。更に200m程遡上すると、右岸側に新開堀川が流れ込み、河口に排水樋管が見えます。樋管ゲートが表裏と隣り合うように2箇所在りました、見た目は閘門ですが、此の狭い水路には舟は通らないし、どの様に機能するのか不明です。
新開堀川から240m上流に架かる橋が『#03寿橋』です。古利根水管橋から1.9km上流に架かり、古根川左岸の北葛飾郡松伏町松伏と右岸の越谷市増林・大吉とを結び、県道19号線(越谷野田線)が通ります。左岸側に謎のアーチ橋が見えます。此れって何ですかね?
名称:寿橋
構造種別:1径間鈑桁
河口からの距離:3.3km
橋の長さ:約39m
有効幅員:約8m
完成:1970年(S45)
寿橋の左岸脇に水神宮が在りました。創建は不詳、かつて橋の上流に堰枠が在った為に船は通航出来ず、左岸の松伏村の名主石川民部によって経営されていた、民部河岸で荷物の積み替えが行なわれており、水運での安全を願い、水神が祀られたようです。因みに、民部河岸には高瀬舟が10隻以上停泊し、河岸倉や船大工も居て栄えたそうです。所在:北葛飾郡松伏町松伏4818付近。鳥居は2014年(H26)の建立です。
寿橋の上流に見えるのが古利根堰で、管理用の橋が付いていますので、『#04古利根堰管理橋』としておきます。江戸時代初期に建設された固定堰が始まりで、増林堰枠と呼ばれていました。1921年(T10)に木製堰枠からコンクリート製へ改築され、名前が古利根堰となりました。現在は鋼製ローラーゲート(幅20m、高さ5.7m)とシェルタイプフラップ付ゲート(幅20m、高さ5.7m、2門)の計3門で、最大貯水量200万㎥の松伏溜井となっています。完成:1987年(S62)。
名称:古利根堰管理橋
構造種別:3径間鈑桁
河口からの距離:3.4km
橋の長さ:約70m
有効幅員:約2m
完成:1987年(S62)
古利根堰の右岸側から逆川(さかさがわ)、別名葛西用水へ分水されています。南西700m程で新方川の下を伏せ越しで潜り、越谷市市街で元荒川へと合流します。元荒川が増水した際に、古利根川に逆流する事があり、逆川と呼ばれています。
新方橋から南西500m程に、キャンベルタウン野鳥の森が在るので寄ります。途中、県道19号線沿いに200m程進むと、右手に前波水神宮が在ります。前波は此の辺りの字名です。創建は不詳、所在:越谷市増林6793。鳥居は1898年(M31)の建立、1979年(S54)補修、普門品供養塔は1848年(嘉永1)の建立です。
水神宮から100m程南下して、逆川に架かる新大吉橋を渡ると左手が大吉公園で、一角にキャンベルタウン野鳥の森が在ります。公園のイチョウが黄葉していて綺麗ですね(12月/Fの撮影)。
「キャンベルタウン野鳥の森」は、1995年に越谷市とオーストラリアのキャンベルタウン市との姉妹都市提携10周年を記念して建設された、面積5350㎡の施設です。休園日:月曜日と年末年始、入園料:100円、所在:越谷市大吉272-1。
二重の自動ドアから約3000㎡のバードケージの中に入ります。キャンベルタウン市から寄贈された、ワライカワセミ、アカクロオウム、レンジャクハト、ブロンズトキなど28種の野鳥が飼育されているとの事でしたが、樹の上や木陰に隠れている奴がほとんどで、短時間では撮れた種類位しか見られませんでした。■エミュー(鴯鶓):ヒクイドリ目ヒクイドリ科、「飛べない鳥」の一種ですね。■ゴシキセイガイインコ(五色青海鸚哥):オウム目ヒインコ科、名前とおり虹の様な羽色の中型インコです。■ブロンズトキ、別名カマハシトキ(鎌嘴朱鷺):ペリカン目トキ科、繁殖個体は赤褐色の身体になるそうです、池周りに集団で居ますよ。
■ミカヅキインコ(三日月鸚哥):オウム目インコ科の中型インコで和名のとおり、オスの胸元に赤い三日月模様が在り、メスにはありません。■レンジャクバト(連雀鳩):ハト目ハト科で、太ったキジバトですね(笑)。モヒカンのような尖った冠羽がカッチョいいね。■ワライカワセミ(笑い翡翠):ブッポウソウ目カワセミ科、カワセミ科の中で最大種で全長40~50cm、鳴き声が人の笑い声に似ている事からの命名です。
大吉公園の北側に大吉調節池が在ります。西隣に流れる新方川の氾濫を防ぐ目的で1986年(S61)に造られた、容量40万トンの調節池で、普段は調節池公園として利用されています。
大吉調節池の北端から北へ400m程に真言宗豊山派寺院の徳蔵寺が在ります。創建等は不詳、山号:青龍山、所在:越谷市大吉1064-1。
徳蔵寺から東120mに大吉香取神社が在ります。境内の由緒案内によると、大吉は、かつて大芦とも呼ばれ蘆が繁殖していた地からの命名と云われています。大吉香取神社の創建は不詳ながら、慶安年間(1648~1652年)以前に村が開拓される過程で祀られたと云われています。先程の徳蔵寺が別当でした。元は古利根堰付近に在りましたが、1991年(H3)の大吉調整池建設に伴い、現在地に遷座されました。祭神:経津主命、所在:越谷市大吉1055。境内にタテハチョウが日向ぼっこです、寒さに強く越冬しますよ。
大吉香取神社から北東1km程に在る、向畑香取神社へ行きます。右岸側の側道を進みましたが、堤防が低いですね。右岸側は田園地帯なので、此方側に遊水させるのですかね。
向畑香取神社の創建は不詳、川崎村から分村した頃の創建と云われています。向畑村の鎮守で、1871年(M4)村社列格、祭神:経津主命、所在:越谷市向畑832。鳥居は1955年(S30)の建立です。
向畑香取神社から東に420m程進むと、今回終着地点の橋となる『#05堂面橋』です。左岸の越谷市向畑と右岸の北葛飾郡松伏町松伏とを結び、県道19号線(越谷野田線)が通ります。かつて、堂面の渡し(耕作渡)や、権兵衛河岸・権兵衛渡しなどが在りましたが堂面橋が出来て衰退しました。
堂面橋の左岸上流30m程に北越谷駅行きの茨急バス・松伏バス停が在り、此方から帰宅します。古利根川の初回遡上歩数、22600歩でした。
名称:堂面橋
構造種別:3径間鈑桁
河口からの距離:5.2km
橋の長さ:67.7m
有効幅員:7.8m
完成:1970年(S45)
>>>後書き<<<
次回は堂面橋から遡上して、赤沼水管橋、古利根橋までの紹介になります。
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Author:mark60
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