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和久希世    

  • Author:和久希世    
  • 京都との県境近く
    滋賀県大津市南部、
    瀬田川の畔に住まいする
    古希を過ぎた 名も無き嫗でございます。
    事情があって(こちら)しばらく
    「春夏秋冬」で書いていましたが、
    又こちらで書くことになりました。
    今度はお馴染みになりました 
    和久希世(以前は わこ)に改めて再出発とさせて頂きます。
    2010・3・21

    FC2dendrodiumを終了し、
    ライブドアブログdendrodiumに移りました。
    (2016/3/1)

    2019・5・25 又、こちらで書く事にしました。

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国家の殺し方 TPP11にも潜むワナ 

マスコミに載らない海外記事の過去記事「『国家の殺し方 オーストラリアがアメリカと結んだ破滅的な貿易協定』書評」で引用しておられた『アジア力の世紀 ─どう生き抜くのか』進藤榮一著 岩波新書1432「第3章 TPPから安全保障共同体へ」にあったという論説が、
とてもよく日本人の気質を表していると感じましたのでここに複写させて頂きます。
    
見極めるべきは、外交ゲームに潜む謀略だ。謀略に潜むリスクである。だからこそ、同盟国にせよ非同盟国にせよ、アメリカ外交と付き合う時に求められるのは、リスクに向き合う外交のリアリズムだ。
 そのリアリズムが、日本のTPP(環太平洋パートナーシップ)政策に決定的に欠落している。
その欠落が、領土問題で日本を迷走させ、アジア地域統合の動きを減速させている。
 いま私たちに求められているのは、農業であれ金融であれ、グローバリズムに潜むリスクを見抜くことだ。そのリスクに向き合って、「アジアカの世紀」を生き抜くことである
。と、この論説は結んでありますが、
安倍政権とそのシンパたちは、外交ゲームに潜む謀略に全然配慮せず、
交渉相手を味方と見るなら、何でもオーケーすべきだとの観点から、
総てを決めている気配が感じられますね。

そんなアメリカの交渉担当者達がその素朴さに当惑することが多い日本(安倍政権)は、
アメリカが抜けると言っても、TPP11を率先して推進したのだと思うと哀しくなりますね。

 1 アメリカン・グローバリズムの外交戦略

アメフトと相撲

 アメリカン・フットボール─アメフトと略称される米国の国技だ。対する日本の国技は、相撲である。この二つの国技の違いに、両国の外交文化の差が集約されている。私はその差を、最初の留学先、首都ワシントンで、クラスメートたちと初めて練習試合をした時に痛感した。「ボールは左に投げるふりをするから、お前は右に回り込め。
 そしてボールを取ってすぐ、敵の裏をかいて今度は左端のジョンに飛ばせ」。
 試合開始前、綿密な作戦会議を行う。ハーフタイムごとに戦略を練り直す。まさに戦略と謀略ゲームの極致である。
 しかも重くてぶ厚い防具をつけて戦う。そして超ミニの華麗なチアガールがフィールドに繰り出し戦意を高揚させる。まさに重武装とソフトパワーで戦うゲームでもある。
 対する日本の相撲は、まわし一本以外、何もつけない。土俵に塩をまき、不正をせずに技を競い合いますと観客の前で誓う。この文化の中で日本外交も展開する。正議論が好きな国民性がそのムードに拍車をかける。

 だから日本の外交は、外交ゲーム、とりわけ米国流外交ゲームにつきものの、謀略とリスクに気付かず、リスクも、真の脅威も見極めることをしない。正義はいつも我にありと考える。
 相手方の行動を善か悪かで判断し、同盟国の善意を信じ好意に期待する。逆に非同盟国は悪意に満ちていると疑わず、その崩壊を期待する。領土問題でも拉致問題でもそうだ。
中略

アメリカ外交ゲームの謀略

米国外交史には、この手の謀略外交の例は、機密解禁文書で立証できるものだけでもあまたある。米国外交正史が決して触れない、謀略の歴史である。
外交と謀略とはいつも紙一重だ。米西戦争開戦時のメイン号爆破や真珠湾攻撃、沖縄基地問題、ベトナム戦争時のトンキン湾爆破事件から、九〇年八月のイラクによるクウェート侵攻に米国が仕掛けた外交謀略に及ぶ。匿名の情報公開ウェブサイト、ウィキリークスは、普天間基地移設問題や鳩山首相引きずり降ろしに至るまで、謀略の数々を暴き出している。
 見極めるべきは、外交ゲームに潜む謀略だ。謀略に潜むリスクである。だからこそ、同盟国にせよ非同盟国にせよ、アメリカ外交と付き合う時に求められるのは、リスクに向き合う外交のリアリズムだ。
 そのリアリズムが、日本のTPP(環太平洋パートナーシップ)政策に決定的に欠落している。
その欠落が、領土問題で日本を迷走させ、アジア地域統合の動きを減速させている。
 いま私たちに求められているのは、農業であれ金融であれ、グローバリズムに潜むリスクを見抜くことだ。そのリスクに向き合って、「アジアカの世紀」を生き抜くことである。

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