1970年に発表された
キング・クリムゾンのアルバム『
ポセイドンのめざめ』リリース時に、
クリムゾンは何とシングルをリリースしています。珍しい…。それが、よりにもよってキース・ティペットが荒れ狂った「キャット・フード」というのが…メンバーの大量離脱でご乱心だったんでしょうか(^^;)。
キャット・フードは、アルバムとはダビングを含めたミックス違いなのですが、その
B面に入っている「グルーン」って曲が、69年のファースト・ラインナップがやっていたジャズ色の強い音楽の特徴をよくあらわした演奏で、僕は好きでした。とはいえ、当時はとうてい手に入れる事ができず、僕は『A Young Person’s Guiode To King Crimson』というベスト盤をレンタルしてきて、そこで聴きました。
正確なデータがないので分からないんですが、70年録音という時期や演奏からして、恐らく「Groon」の演奏は、
ジャイルズ・ジャイルズ&フリップの3人。ギター、ベース、ドラムのトリオでのインストで、テーマ部分の匂いは思いっきりニュージャズ。このテーマ部分がクソカッコよくて悶絶でした。ただし、オープンになるとエフェクターに頼った演出をしたり、フリップ先生がシャバラバだったり、ニュージャズというよりモダンジャズみたいになっちゃうんですが、雰囲気がクソカッコいいのでそんなことは問題じゃありません。
でもって、昔は、69年のファースト・ラインナップの頃のクリムゾンのライヴ演奏って、あれだけジャジーでカッコ良かったにもかかわらず、公式盤ではまったく聴けなかったんですよね。その雰囲気を唯一聴く事が出来たのが「Groon」で、僕は思いっきり魅せられてしまいました。以降、69年のクリムゾンのブー〇音源を漁る事に(^^;)。。
ファーストラインナップのクリムゾンのライヴを聴くと、仮にこの「グルーン」をアリとすると、もうセカンド・アルバムを作れるだけの曲は揃っていたと思います。
もしクリムゾンがメンバーの離脱を起こさないまま70年を迎えていたら、セカンド・アルバムって、この「グルーン」系の、モダンからニュージャズ寄りだった音楽が中心になったんじゃないかと思うんですよね。もしそうなっていたら、クリムゾンのクラシック・サイドがファーストになって、ジャズ・サイドがセカンドになっていたわけです。クリムゾンはロック史に残る音楽を完成させたバンドだと僕は思っていますが、もしこの実現しなかった方のストーリーを歩んでいたら、更にすごい事になってたんじゃないか…見果てぬ夢ではありますが、僕は「グルーン」を聴くたびに、この事を想像しないわけには行かないんです。それぐらい、「グルーン」はワクワクする曲と演奏でした。
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