宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

牧山ひろえさん「確定申告時に税金の使い道を選べる」民需が主導の納税者主権へ 平成25年度本予算審査

2013年05月14日 19時44分09秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

【参・予算委 集中審議「安倍内閣の政治姿勢について」 2013年5月14日(火) 】

 平成25年度の本予算(案)の集中審議で、神奈川選挙区で今夏改選を迎える牧山ひろえさんが質問に立ちました。4増4減法により、定数4となる神奈川選挙区ですが、厳しい闘いです。しかし、それは日産自動車発祥の地である神奈川県において、労働者が一つになる闘いでもあります。

 牧山さんは、ハンガリーの1%法というのを紹介しました。税金の1%の使い道を納税者が決めることができるそうです。

 牧山さんはこれをアレンジして、確定申告時に1%の税金の使い道を納税者が選べるプランを提示。2180万人が2・3兆円を確定申告しているので、230億円の使い道を納税者が決めることで、納税者主権が実現するとの考えを示しました。

 これに対して、けんかのうまい麻生財務相は「その国の人口はどのくらいいるの?」と逆質問。これを単なるけん制であり、牧山さんはしっかりと泰然自若と座ったまま。面食らった麻生副総理は「いや、人口が少ない国と多い国とでは全然徴税体制が違うから」と訳の分からない答弁。ちなみに共同通信社の世界年鑑によると、ハンガリーの人口は1002万人ですから、欧州にしては人口は多い国といえます。

 首相は「私たち政治家が税金の使い道を決めるんです」とかわしましたが、牧山さんは納税者が使い道を使えるという観点で、予算の編成をブレークスルーしていきたい考えを示しました。この納税者、タックスペイヤーという言葉は、アメリカ議会では非常によく聞く言葉です。わが国でも消費税が10%になるのですから、有権者、主権者というように権利を主張するよりも、納税者という義務を主張する方がより政治へ声を届けることができるようになります。牧山さんのように、元総理で皇族と親戚の麻生氏の挑発に乗らずに毅然とできるようになるためにも、義務と権利をしっかりと主張していきたいものです。

 民主党のバイブルともいえる「民主党税制改正大綱」(2007年12月26日)は「税は私たちが一人ではなく、社会を作って共同生活を行う上で必要とされる経費を、その社会の構成員の間で分担する、いわば“会費”のような存在である。したがってそのあり方は構成員の意思によって決められるべきものである」と書き出しています。この辺に藤井裕久さんの思想が感じられ、牧山ひろえさん、金子洋一さん、中塚一宏元行革相(落選中)ら民主党神奈川県連の弟子たちが受けついでいってほしいものです。

 政治改革を訴えて結党した新生党の最年少は岡田克也議員でしたが、直後の第40回衆院選で、松沢成文さんが当選し、最年少の座を奪いました。民主党代表選出馬は岡田さんより先んじた松沢さんですが、きょう、みんなの党から参院選神奈川選挙区に立候補を表明しました。複雑な気持ちです。ぜひ、松沢さんにはベストを尽くしていただきたい。そして、秋以降、また非自民の結集という話もあるかもしれません。牧山さんも悔いの無いように全力を尽くすのみ。参院選は組織のお祭りであり、二項対立は不毛です。

 牧山さんは港湾管理者は地方自治体だが、国の関与を高めることで、アジアのハブ港(はぶこう)としての地位を取り戻すべきだと主張。これは、私は日経新聞横浜支局記者として、横浜港周りの経済を3年半見続けた経験からすると、まったくもって同感です。安倍首相は「私の地元の下関港も六大港でしたが、今は外されちゃいましたが」と私心を捨て切れない答弁をしてしまいました。

 さて、アベノミクスで民需が軽やかに浮上する中、官公需では、暫定予算が続き、本予算の成立に関心が高まっています。本予算案はあす参議院で採決され、民主党の反対で否決されます。その後、長い夜になります。

 その2013年5月14日付け日経新聞14面の全面広告で、個人的には尊敬する太田国交相が座談会をしていました。


 



 庶民の味方、太田大臣を囲む3人の怪しげな男たち。

 これが、

 





 日本建設業連合会会長の鹿島建設の中村満義社長、副会長・土木本部長の清水建設の宮本洋一社長、建築本部長で大成建設の山内隆司社長だそうです。

 「建設」と名乗っていますが、実際には建設していません。ゼネコンという業種で、日本にしか存在しない仕事です。

 この国に600兆円の借金をつくったのに、のうのうと全面広告で大臣と座談会をする連中。社長というよりも容疑者という風情。参院選の2ヶ月前、本予算成立の2日前のタイミングでこのような広告を打つことで自分たちと政治の距離を近づけているわけです。ちょうど今衆院国交委では、旧建設省3法案(道路法、港湾法、水防法および河川法のそれぞれの改正法案)の審議中です。

 1500万円ほどの広告費は経費で落としているでしょうから、彼らの懐はまったく痛まないわけです。そもそも、鹿島建設など日本経済と日本人の生活にまったく影響力をもちません。永田町だけの内弁慶です。中東など海外進出も頓挫したという情報にも接しています。日本にしかない「ゼネコン」の息の根を止めることは、近所の建設会社、工務店の利益にもなります。それこそ文字通り、「売上」だけでなく「利益」をもたらします。鹿島建設のために国債を発行する政治は打ち止め。納税者主権の日本政治にしましょう。そのためには、参院選を活用して、自民党や中国地方整備局などにダメージを与えることが有効です。

 そして、牧山さんのように確定申告時にある一定の歳出への権利行使ができるしくみは大いに賛同します。そして、たびたび言っていますが、サラリーマンの確定申告(ないしは年末調整との選択制)を実現することで、少しは働く者の「奴隷解放」ができると考えます。

 民需と官公需のベストミックスが力強い経済回復につながるとは考えますが、ただ、ここまでの歴史にを踏まえると、アベノミクスで暫定予算という絶妙なタイミングの今こそ、官公需の連中にそろそろ一泡吹かせたいところ。

 「人からコンクリートへ」の平成25年度本予算案(926115億円の「国売った無為いっこう顧みず」予算)が、いよいよ採決です。

 長い夜になりそうです。

 楽しみです。 

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