宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

安倍首相「96条改正」に立ちはだかる「0増5減石破・鳥取問題」の厚い壁

2013年05月06日 19時18分49秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

 2013年大型連休のデパ地下は1000円超のお弁当が飛ぶように売れていて、暫定予算中とは思えない光景でした。下野中の民主党にも真摯に経済政策を学んで欲しいと感じます。

 次の祝日は、7月15日(月)の海の日。そのときは、参院選真っ最中です。 

 連休明け国会は、5月7日(火)午前10時に参・法務委が開議され、午後はNHK入り参・予算委集中審議があるなど、初日からラストスパート。終盤国会に入ります。

 第183通常国会は、今週の4日間+5日間×6週間+会期末の3日間=37営業日ということになりました。

 前の任期の1回目の通常国会(第174通常国会)では、連休明けとともに国家公務員給与法案が衆院内閣委で不正常採決。田中けいしゅう(田中慶秋)内閣委員長解任決議案が本会議にかけられ、小泉新次郎さんが賛成討論に立つなか、不正常採決の中心となった議員が杖を付いて本会議場に入るという与党らしからぬ振る舞い。民主党政権は転倒、転落していきました。このときの国会傍聴ノートを振り返ると、鳩山グループの中心的人物から「あまりブログで民主党色を出さない方がよい」とのアドバイスを受けたと欄外にメモがありました。だったら、なぜ2009年5月の代表選で「鳩山ネクスト首相」をつくったのか、とことん問いつめたいところですが、やはり「与党経験のなさ」ということなんでしょう。

 自民党国対は教育がしっかりしているから、今度はそのようなことはないでしょうが、教育係の石破茂・幹事長に大きな問題が浮上しました。

 1票の格差、「鳥取問題」です。連休中のテレビニュースでもまとめられました。



 「衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人口較差を緊急に是正するための公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(183閣法51号)」は公選法の別表をそのままにし、別表第一を、次のように書き換えるとしています。 

「鳥取県 第一区 鳥取市 倉吉市 岩美郡 八頭郡 東伯郡 三朝町 第二区 米子市 境港市 東伯郡 湯梨浜町 琴浦町 北栄町 西伯郡 日野郡」

 つまり鳥取県の定数は2のままです。

 しかし、平成24年3月31日時点の住民基本台帳で、日本の総人口は「1億2665万9683人」です。これを295選挙区で割ると、「42万9355人」が一つの選挙区の人口になります。鳥取県の人口は「58万8715人」です。鳥取県が持てるのは「1・37選挙区」に過ぎません。平成6年政治改革関連4法(細川・羽田法)の各県に1ずつ割り振る「1人別枠方式」は最高裁の「卒業」判決が確定しています。1・37選挙区ならば、四捨五入で鳥取県の定数は「1」であり、鳥取全県区にするのが自然の理。それを「2」にしているということは最高裁が「卒業」を判決した1人別枠方式を残していることになり、立法府が司法府の判断を踏みにじることにほかなりません。まさに、石破爆弾テロです。 

 私は憲法96条先行改正論でも押しつけ憲法を認めてしまうことになる全文改正論でもなく、部分改正で、力強く「自立と共生の国家」像を示すべきだと考えます。ぜひ、改憲したい。だからこそ、石破法案のめちゃくちゃな定数「2」をなんとか阻止して、修正可決のうえ、今国会で成立させて、区割り審の答申を秋に出してもらいたいと考えています。

 このような憲法違反法案を自民党が公明党とともに、今国会で成立させた場合は、参院選の「憲法96条改正公約」は、オピニオン・リーダー層から信を得られなくなるでしょう。すでに自民党系の読売新聞でも「参院修正論」が連休中に報じられ、参院選に向けた軌道修正の動きが党内外に出てきているようです。 この問題は国民の関心は低いのですが、オピニオン・リーダー層の根強い反発があります。特段、石破さんから仕事をもらっている人など、農業、防衛産業でもたいしていないでしょう。力強く石破・鳥取問題の解決に向けて、与野党が力を合わせていきたい、終盤国会となりました。

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