内定式、表情きりり 主要企業が一斉に
国内主要企業が2日、2018年春入社予定の学生らを集めて一斉に内定式を開いた。今年は経団連の指針による内定の解禁日が週末にあたり、週が明けた2日に開催する企業が多い。人手不足を背景に企業の採用意欲は高まっており、学生に優位の「売り手市場」が続いている。
東京海上日動火災保険は2日午前、都内の本社で内定式を開いた。今年の内定者約580人のうち、約300人が出席した。訓示した北沢健一人事企画部長は「多様な価値観を認め、能力を発揮できる組織にするために、柔軟な発想でダイバーシティーの感覚を高めてほしい」とエールを送った。
日本生命保険は2日午前に千葉県浦安市で内定式を開き、約800人の内定者が参加した。三菱商事や三井物産も都内の本社で内定式をそれぞれ開催し、三井物産の小野元生人事総務部長は「目の前の仕事に真摯に取り組めば一回りも二回りも成長できる」と激励した。クボタも兵庫県尼崎市内で内定式を開き、約150人が参加した。
セイノーホールディングス傘下の西濃運輸は2日、岐阜県大垣市の本社で内定者45人が入社に向けた決意を俳句に詠むイベントを開いた。同市は松尾芭蕉の「奥の細道」の結びの地で、地域に根ざした企業を担ってもらおうと今年初めて開いた。
就職支援のディスコ(東京・文京)によると、9月1日時点の就職内定率は91.4%と、昨年10月1日時点の91.2%を上回った。リーマン・ショックの影響が本格化する前の88.9%を上回り、最近の約10年間で最も高い水準となっている。
売り手市場で複数の企業から内定を得る学生も多い。リクルートキャリア(東京・千代田)の調査では、9月1日時点で複数の企業から内定を得た学生の割合は66.2%と、前年同月と比べて5.6ポイント高かった。
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