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富士山の眺めが美しい 絶景の宿ベスト10

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NIKKEI STYLE

6月に世界文化遺産に登録され、登山客も急増中の富士山。登る楽しみはもちろんのこと、眺めるだけでも心癒やされる美しさがある。風呂やレストラン、客室から富士山をゆったりと堪能できる宿泊施設を専門家に選んでもらった。

1位 富士ビューホテル(山梨県富士河口湖町) 351ポイント
迫力ある全景が印象的 河口湖畔に広がる約10ヘクタール、東京ドーム2個分余りの敷地に建つ。客室は富士山側と河口湖側とがあり、全79室中の約半数から富士山の北側を望める。客室のほか、ロビー、レストラン、庭など至る所から四季折々の富士山を堪能でき、「麓から山頂まで、美しく迫力ある全景が印象的」(小松めぐみさん)。特に「春、庭のしだれ桜越しに見る富士山は圧巻」(ロッキー田中さん)だ。晴れた日には朝日に輝く山を眺めながら朝食のバイキングを楽しめる。
 1936年創業の山梨県初の洋館ホテルという。ビートルズのメンバーも来訪したことがある。85年にリニューアルしたが、屋根の上にある2つの展望ラウンジは創業時の面影を今に伝えている。富士山型にライスを盛りつけた「赤富士カレー」(サラダ、コーヒー付きで1800円)もお薦め。「食事や入浴ができる日帰りステイにお得感がある」(竹村節子さん) 地元に住む人たちからも「落ち着いた雰囲気が良い」(米山裕美子さん)と好評だ。(1)0555・83・2211(2)富士山世界文化遺産登録記念特別宿泊プラン17500円
2位 湖山亭 うぶや(山梨県富士河口湖町) 338ポイント
逆さ富士の名所 河口湖畔に建ち、全51室から富士山と河口湖を望める。ここでは湯につかりながら眺める富士山が格別。大浴場と露天風呂が男性用は2、3階に、女性用は4、5階にある。「温泉から眺める河口湖と山の景観は感動的」(渡辺豊博さん)、「逆さ富士が見られる名所」(田中さん)という。
 宿は「高級感がある」(米山さん)、「大人がゆったりとぜいたくにくつろげる」(竹村さん)雰囲気。宿泊客なら午後は、湖に面した談話ラウンジでコーヒーやジュースなどを無料で楽しめる。ホームページでは富士山を眺望できた率を月別で掲載している。(1)0555・72・1145(2)黒毛和牛のすき焼きコース(10畳1間の場合)28350円
3位 小田急 山のホテル(神奈川県箱根町) 263ポイント
庭園と一緒に楽しむ 芦ノ湖畔にある赤い屋根が印象的なホテル。三菱財閥創始者である岩崎弥太郎の甥が所有していた別邸跡地で、樹齢100年を超えるツツジやシャクナゲなどが咲き誇る庭園が有名だ。春、「まだいただきに雪を抱く富士山と庭園の花との組み合わせが美しい」(寺田直子さん)。
 客室からは全89室中の2室からしか山を見られない。ただ、宿泊しなくても利用できるラウンジテラスからは、外輪山と富士山を眺めながら喫茶や軽食を楽しめる。「地元の食材を生かしたフランス料理が美味」(小松さん)(1)0460・83・6321(2)富士山が見える部屋に泊まる富士山世界文化遺産登録記念プラン「富士山3776」37760円
4位 ホテル鐘山苑(山梨県富士吉田市) 256ポイント
露天風呂から絶景 空と温泉が一体になったかのようにみえる露天風呂が屋上にあり、源泉かけ流しの温泉につかりながら眺める富士山。「朝には気象条件次第で赤富士が見えることも」(井門隆夫さん)
 客室からも全126室のうち100室で楽しめる。北口本宮冨士浅間神社などを巡るエコツアー(有料)を宿が催す。(1)0555・22・3168(2)祝!富士山世界文化遺産登録記念プラン27300円
5位 ホテルマウント富士(山梨県山中湖村) 240ポイント
朝には赤富士 山中湖の近く、標高1104メートルの高台に建つリゾートホテル。温泉大浴場の露天風呂からの富士山が美しく、7~9月ごろは雪のない早朝の赤富士やなす紺色の富士山などを楽しめる。
 見られるのは全53室のうち48室。正面に山中湖、斜め右に富士山という構図が多いが、スイートルームなどでは正面に山がくる。(1)0555・62・2111(2)富士山と満天星で癒す天空の旅プラン19300円
6位 秀峰閣 湖月(山梨県富士河口湖) 232ポイント
花火との競演を堪能 河口湖の北岸に建ち、全45室から富士山と湖を眺められる。女性用、男性用共に露天風呂からの早朝の朝焼けの富士山が美しく、夜は月明かりの中に浮かぶ富士山が見えることもあり、幻想的だ。「8月の河口湖湖上祭、冬の富士山の日など富士と花火を楽しめる」(寺田さん)(1)0555・76・8888(2)富士山が見える12畳半の部屋プラン19950円
7位 日本平ホテル(静岡市) 230ポイント
部屋から駿河湾越しに 標高308メートルの日本平に昨年9月に開業した現代的なたたずまいのホテル。客室は3~5階部分で、全80室のうち62室から、三保の松原、駿河湾、静岡市越しの富士山を眺められる。「風景美術館」を標榜するほどで「景観は抜群」(渡辺さん)。夕暮れ時はきらめく静岡市内の明かりと富士山を楽しめる。(1)054・335・1131(2)富士山の見える部屋のプラン24000円
8位 箱根ホテル(神奈川県箱根町) 208ポイント
老舗に泊まり芦ノ湖側から 創業90年の芦ノ湖畔の老舗ホテル。全50室中33室からのほか、レストランなどから湖と箱根の外輪山と富士山を同時に眺められる。フランス料理に定評。(1)0460・83・6311(2)美術館チケットなどが付く富士山世界文化遺産登録記念プラン22300円
9位 風のテラスKUKUNA(山梨県富士河口湖町) 182ポイント
全室にテラス席 全ての客室にテラス席が付き、富士山と河口湖を眺められる。部屋からの眺めなどをホームページで事前に確認できる。(1)0555・83・3333(2)夕食の洋食コースとサラダ・デザートのビュッフェと朝食付きビュッフェプラン19000円
10位 松濤館(静岡県沼津市) 177ポイント
夕焼け時がお薦め 「遠望だが、駿河湾越しの富士山が美しい」(井門さん)といい、夏は夕焼けが海を照らすころがお薦め。全24室のうち21室から富士山を望める。地元食材を使った海鮮料理も人気。(1)055・943・2311(2)富士山の見える客室23000円
10位 休暇村富士(静岡県富士宮市) 177ポイント
手ごろな料金も魅力 田貫湖と朝霧高原を挟んでの富士山を全60室から見られる。手ごろな料金で泊まれるうえ、朝はスタッフが湖周辺を案内するイベントもある。(1)0544・54・5200(2)ゆったり初秋の富士紀行(9月1日~)11800円(サービス料無し)

 表の見方 数字は選者の評価を点数化。施設名と所在地(1)電話番号(2)富士山が見える客室を1室2人利用時の1人分料金(1泊2食付きお薦めプラン、消費税・サービス料込み)料金は時期などで変動あり。7位以外は入湯税150円が別途かかる。写真は施設提供。

霊峰、1年通し様々な表情

この条件では山梨、静岡、神奈川3県にある施設に集中し、中でも山梨県の河口湖畔が多かった。「写真を撮るなら、早朝は河口湖付近、日中は富士山の南側の富士宮市や東側の山中湖村がお薦め」(井門隆夫さん)という。露天風呂につかりながら、さざめく湖面越しに山を眺められる宿も多い。

湖と山の風景は、山中湖付近からも楽しむことができる。ただ、施設の数は河口湖畔に比べると少なくなる。ちなみに千円札に描かれているのは本栖湖と富士山だ。

静岡県側に目を向けると、富士宮市や静岡市、伊豆市からと、様々なところから富士山を眺められる。富士宮市などからは標高3776メートルの頂上「剣ケ峰」を見ることができる。また、伊豆から駿河湾越しに見える富士山も格別だ。ランキングには入らなかったが、富士宮市には割烹(かっぽう)旅館やビジネスホテルなど、割安な宿も多い。神奈川県からは箱根周辺から芦ノ湖や外輪山とともに山頂付近がよく見えるほか、山は小さくなるものの、葉山のリゾートホテルからも楽しめる。

ただし写真のようにくっきりとした姿を目にできるのは、天候条件の整った時に限られる。麓や湖周辺は晴れていても山頂部分は曇っていることは多い。

今夏は時期によってはもう予約が難しい宿もあるが、眺めて楽しむ分には季節を問わない。秋から冬の富士山もまた美しい。比較的きれいに見えるのは冬の早朝だという。

古来、富士山は火をつかさどる神が宿る霊峰とされてきた。江戸時代には民衆の間で富士山信仰する集団「富士講」が増え、拝むために人々が山に登るようになった。信仰の案内人である「御師(おし)」が登山ガイドの役割も果たしたという。日本の象徴の山は今も昔も人々をひきつけてやまない。

  ◇  ◇  ◇  

 調査の方法 富士山が見える宿泊施設に詳しい専門家13人に眺めがお薦めの施設を挙げてもらい、リストを作成。客室や大浴場中心に富士山の見え方、温泉や料理などから評価してもらった。選者は以下の通り(敬称略、五十音順) 井門隆夫(井門観光研究所代表取締役)▽大井英明(NPO法人富士山クラブ静岡事務所)▽亀山隆(富士宮旅館料理組合長)▽木原秀和(日本旅行広報室)▽小松めぐみ(編集者・ライター)▽清水勝也(富士河口湖町観光課)▽竹村節子(旅行作家)▽立花泰明(近畿日本ツーリスト総務広報部)▽寺田直子(トラベルジャーナリスト)▽水野純子(はとバス企画旅行部)▽米山裕美子(NPO法人富士山クラブ本部)▽ロッキー田中(ときめきの富士写真家)▽渡辺豊博(都留文科大学教授・富士山学)

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