維新の東大阪市長、万博に異例の苦言「一体感が欠如」
大阪府東大阪市の野田義和市長は27日、2025年国際博覧会(大阪・関西万博)で、大阪府が子どもの2回目の招待を市町村に呼びかけていることについて「個人の楽しみを公費で負担するのはいかがなものか」と疑問を投げかけた。機運醸成に向け22年から開いているイベントに関しても「(運営主体である日本国際博覧会協会から)頑張りを認めてもらえていない」と述べ、一体感の欠如を指摘した。
24年度予算案の記者会見で語った。野田氏は23年9月の市長選で、これまで支援を受けてきた自民・公明両党から地域政党・大阪維新の会公認にくら替えして5期目の当選を果たした。維新が推進する万博について、維新の首長が苦言を呈するのは異例だ。
大阪府は子どもに複数回行ってもらう想定で、1回目は府が無料で招待し、2回目以降は市町村に判断を委ねている。野田市長は「1回目の招待は、小中学校の学びの行事としてありがたく活用したい」として、学校から万博会場までの交通費の一部を負担する考えを示した。
ただ2回目については「府がいきなり『市町村でやれ』と言うのは話が違う。(会期中の)半年間に学校行事として2回行くのは難しい」と指摘。招待費用を市町村が全額負担することも、「地方財政のあり方として疑義を感じる」と語った。
運営主体である日本国際博覧会協会に対しては、「万博がこれほどネガティブな状態になっている原因」と語った。同市は19年のラグビーワールドカップ日本大会に開催地として参画したが、当時の組織委員会はトップの御手洗冨士夫会長からスタッフにいたるまで東大阪を含めた各開催地の取り組みをよく把握しており、じかに激励されるなど「一体感があった」。
今回の万博は落差が大きいという。例としてあげたのが、同市が毎年開いているイベント「HANAZONO EXPO(ハナゾノ エキスポ)」。「機運を醸成してほしいという要望があり、自治体として最も真剣に向き合ってきた自負があるが、『よくやってくれている』という話は聞いたことがない」と指摘。「(協会は)もっと丁寧に取り組むべきではないか」と語った。
2025年国際博覧会(大阪・関西万博)は2025年4月13日から10月13日まで大阪市此花区の夢洲(ゆめしま)で開催されます。公式キャラクターは「ミャクミャク」。パビリオンの解説やアクセス方法のほか、イベントや参加国・地元の動きなど最新ニュースを豊富な写真や動画でお伝えします。