オムロン、25年3月期純利益36%増に上振れ 固定費圧縮
オムロンは6日、2025年3月期の連結純利益(米国会計基準)が前期比36%増の110億円になる見通しだと発表した。5%増の85億円とした従来予想から上振れする。ファクトリーオートメーション(FA)機器の販売は苦戦が続くが、人員削減などの構造改革で固定費圧縮の効果が出る。
売上高は前期比2%減の8050億円、営業利益は51%増の520億円になる見通し。売上高は従来予想を200億円下回るが、営業利益は30億円上方修正した。通期の純利益見通しは直近の市場予想平均(QUICKコンセンサス、前期比68%増の135億円)を下回った。
オムロンは主力のFA機器事業が不振で25年9月までを構造改革期間と位置づけている。国内で4〜5月に実施した希望退職には1206人が応募したほか、海外でも9月末までに1163人が退職に合意したことを明らかにした。連結従業員を1割減らし、今期に約280億円の構造改革費用を計上する。人件費の削減などで今期の固定費は前期から161億円減る見通しだ。
FAなどの制御機器事業の売上高は9%減の3580億円、営業利益は68%増の360億円になる見通し。従来計画からそれぞれ30億円、85億円上方修正した。太陽光発電設備関連や自動車関連は伸び悩むが、生成AI(人工知能)関連の半導体分野が堅調だ。辻永順太社長は同日オンラインで開いた記者会見で「中国の現地メーカーとの競争は日に日に激しくなっている。コスト競争力のある製品を早く出していきたい」と述べた。
同日発表した24年4〜9月期の連結決算は売上高が前年同期比6%減の3746億円、最終損益は33億円の赤字(前年同期は60億円の黒字)だった。4〜9月期の最終赤字は09年以来、15年ぶり。人員削減などで約210億円の一時的費用を計上したことが響いた。
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