アート、ヤマトから引っ越し事業を買収
引っ越し大手のアートグループホールディングス(GHD、大阪市)は2日、ヤマトホールディングス(HD)から単身者向け引っ越し事業を手掛ける子会社を買収すると発表した。買収額は非公表。単身者向けを強化すると同時に、ネット通販で需要が拡大する家具や家電の配送事業に力を入れる。
ヤマトホームコンビニエンス(東京・中央)の株式の51%を2022年1月17日付で取得する。同社は単身者向けの引っ越しや大型の家具の配送サービスを手掛ける。18年に代金過大請求が発覚し、引っ越し業務を一時停止した。19年9月に単身者向けのみ再開したが、受注の回復が遅れている。21年3月期の売上高は268億円だった。
アートGHDはグループ会社で大型商品の配送を手掛けるが、「グループ全体でみると小規模だった」(同社担当者)。荷物の開梱や設置など、ヤマト側が持つノウハウを生かし事業を強化する。
引っ越し事業も強化する。アートGHDは家族向けのサービスを強みとしてきた。今回の買収を通じて「単身者向けもこれまで以上に力を入れる」(アートGHD)。
一方、ヤマトHDは新型コロナウイルス禍の巣ごもり需要で業績は好調だが、事業別では引っ越しを手掛けるホームコンビニエンス事業が主要6事業のなかで唯一の赤字(56億円)だった。ヤマトHD側からアートGHDに協議を持ちかけ、20年10月から引っ越し事業での協業を検討していた。
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