奈良県、大和西大寺駅の高架化協議再開狙い検討会議 奈良市や近鉄と

奈良県は1日、近鉄大和西大寺駅の高架化事業を巡る話し合いを進めるため、新たな協議の場を奈良市や近畿日本鉄道を交えた3者で設けると発表した。高架化の総事業費についてより正確な算出などを行う。高架化を巡っては費用負担を巡る県と市の考え方の違いなどから「3者協議会」がストップしており、再び正式な協議に入れるように環境を整えるのが狙いだ。
1日に開いた奈良県の定例記者会見で山下真知事が公表した。新たな協議体の名称は「大和西大寺駅周辺の渋滞踏切道対策を検討する会議」で、年内にも初会合を開く。その後は月1回程度のペースで会議を開きたい考えだ。山下知事は「会議を終えれば(高架化事業について正式に議論する)協議会に奈良市も参加してもらえると期待している」と話した。
会議では、現時点でおおまかに1000億円程度とされている高架化の事業費について精緻に算出するほか、高架化による経済効果を検証する。渋滞を解消できる程度や、高架化が実現するまでの間に渋滞を緩和できる施策についても検討する。
大和西大寺駅を巡っては、駅周辺に「開かずの踏切」が発生して交通渋滞を引き起こしていることから、県など3者は「大和西大寺駅・平城宮跡周辺の渋滞踏切道の解消に向けた協議会」を設置して高架化を議論してきた。しかし、意見の相違などから2023年11月の協議会を最後に開かれていない。県は新たに会議を設置することで協議会再開への準備を整えたい考えだ。
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