GHQが仕掛けた「豊かさへの憧れ」 農村が沸いた黒澤映画
銀幕に映る日本 1945→2025①
「ちゃんと動いてくれるかどうか……」。12月初旬、千葉大の長沢成次名誉教授が古びた木箱で保管する映写機を取り出した。スイッチを入れるとモーターの音が響き、モノクロの映像がスクリーンに浮かび上がる。
「メアリーはいずれ一人前の市民となり、社会と結びつく様々な手立てを発見することでしょう」。明るいBGMとともに米国の女性らが地域で活躍する姿を描く。終戦直後、千葉県内の公民館や学校で繰り返し上映された...
1945年の敗戦から高度経済成長、バブル崩壊、新型コロナウイルス禍を経て2025年へ。フィルムが映した戦後日本80年の流転と不変をたどります。