「ひまわり」観測に一時障害 カメラ冷却にトラブルか
気象庁は11日、気象衛星「ひまわり9号」の観測に午前4時ごろから障害が発生したと発表した。午後6時ごろに復旧したが、一部の画像が一時、ホームページなどで正常に表示されなくなった。警報や注意報の発表に支障はなく、台風の強さの解析などに影響が出た。
気象庁によると、雲や地表面から放射される赤外線を観測する「赤外画像」にノイズが出るなどした。カメラの温度が上昇したことが原因で、冷却機能にトラブルがあった可能性があるとみている。自動で冷却される仕組みだが、地上から指令を出して温度を下げ、復旧させた。
気象庁は、障害が長引いた場合に備えて、バックアップとして待機している「ひまわり8号」の立ち上げ作業を進めた。再び障害が起きた場合を想定し、すぐに9号と切り替えられる状態を維持するという。
ひまわり9号は2016年に打ち上げられた。軌道上での試験や待機運用を経て、22年にひまわり8号と交代して気象観測を担っている。観測データは、オーストラリアなどアジア・太平洋の30以上の国や地域でも活用されている。
気象庁の担当者は「利用されている方たちに迷惑をかけた。おわびを申し上げる」と話した。〔共同〕