2024年の交通事故死者2663人、2年ぶり減少 警察庁
警察庁は7日、2024年の交通事故による死者数が前年より15人少ない2663人だったと公表した。統計が残る1948年以降で3番目に少なかった。ただ減少幅は小さく、2025年までに年間死者数を2000人以下に減らす政府目標の達成は厳しい情勢だ。
23年は新型コロナウイルス対策が緩和され、社会活動が活発化した影響で8年ぶりの増加となったが、24年は再び減少に転じた。新型コロナ前の19年(3215人)と比べても少ない水準が続いている。
交通事故の発生件数(速報値)は29万792件(前年比1万7138件減)、負傷者数(速報値)は34万3756人(同2万1839人減)でともに減少した。23年はともに04年以来19年ぶりに増えていた。
死者数を都道府県別にみると、最多は東京の146人(前年比10人増)だった。東京が最多となるのは20年以来4年ぶり。愛知の141人(同4人減)、千葉の131人(同4人増)が続いた。最少は島根の9人(同13人減)。23年に最も多かった大阪は127人(同21人減)と大幅に減った。
全体の死者数が減少した一方で、65歳以上の高齢者の死者数(速報値)は1513人と前年比で47人増え、死者全体に占める割合も2.1ポイント増の56.8%となった。1〜11月の統計によると、歩行中の死亡事故が減少した一方、自動車や自転車に乗用中の死亡事故が増えている。
政府は21年に策定した「第11次交通安全基本計画」で、25年までに交通事故による年間死者数を2000人以下に減らす目標を掲げる。警察庁は事故の傾向や減少幅が小さくなっている要因を分析し、対策の検討を進める。