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書評『脱露』石村博子著
民間人抑留者、日ソ間で翻弄
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シベリア民間人抑留者――終戦後、ソ連領となった南樺太で不当に逮捕され、ラーゲリを生き抜き、刑期が明けたあともソ連本土に何十年もの間残留させられた民間人のことをいう。日本からは「自己意思残留者」として切り捨てられた彼らが発見されたのは、ソ連崩壊後のことだった。
本書は、日本サハリン協会の一員であり、ソ連に残された日本人への取材を続けてきた著者による、シベリア民間人抑留者らの半生を追った作品だ。彼ら...