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はやぶさ2試料、小惑星由来のガス成分確認 JAXAなど

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宇宙航空研究開発機構(JAXA)や九州大学などの研究チームは21日、探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」で採取した試料(サンプル)から宇宙由来のガス成分を確認したと発表した。小惑星由来の気体を直接確認するのは初めて。りゅうぐうの成り立ちを知る手掛かりの一つになるという。

サンプルは2020年12月、はやぶさ2からオーストラリアの砂漠に投下され、JAXAなどがその30時間後にガス成分を採取した。その成分を分析した結果を論文で報告した。

ガスには「希ガス」と呼ばれるヘリウムやネオンが含まれていた。同じ種類でも質量(重さ)がわずかに異なる同位体を調べると、地球とは異なり、宇宙に特有であることが分かった。ヘリウムでは軽いタイプの同位体の比率が地球よりも約100倍多かった。

こうした希ガスの同位体の一部は、太陽から放出される電子を帯びたプラズマ状態の「太陽風」に含まれている。太陽風がりゅうぐうの表面にあたって残り、それをはやぶさ2が回収。地球への帰還の際に回収容器の中でぶつかるなどしてはがれてガスになったと推定している。研究チームによると、サンプル表面の約2%がはがれたと仮定すれば、測定した量を説明できるという。

ガスなどの詳しい分析から「宇宙線」という放射線を受けることによる「風化」の度合いが分かった。そこから、りゅうぐうが太陽系の外側で誕生した後、今の地球と火星の間に移動したのが現在から約500万年前と推定できるという。

容器内には地球の大気が一部混入していたことも分かった。JAXAの臼井寛裕教授は「大気による汚染はかなり限定的だ。価値のある分析だった」と話した。小惑星から固体の石や砂だけでなくガスを採取する任務は、10年に地球に帰還した「初代はやぶさ」にはなく、はやぶさ2で初めて挑むミッションだった。

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