LCCとは 格安が強みの航空会社、規模は海外に見劣り
きょうのことば

▼LCC ローコストキャリアの略。格安料金を強みとする航空会社を指す。ビジネス客が多く、従来型のサービスを提供するFSC(フルサービスキャリア)と対置される。ボーイングの「737」やエアバスの「A320」などの小型機に機材を統一して整備費用を抑え、運航の頻度も上げて効率化を徹底する。FSCに比べてサービスを簡素にしており、顧客を運ぶコストがFSC主体の航空大手の半分以下の会社もある。

日本では12年にANAホールディングス傘下のピーチ・アビエーション(大阪府田尻町)などが運航を開始。成田空港や関西国際空港にLCC専用ターミナルが設けられるなどインフラ整備も進んだ。コロナ禍で出張利用が減る中、観光客が主体のLCCの収益回復は早いとされ、日本の航空大手もLCC事業の強化を進める。JALは21年6月に春秋航空日本(現スプリング・ジャパン)を子会社化した。
日本のLCCの市場規模は世界と比べて小さい。国土交通省の調査から推計すると19年の日本の旅客数(国内・国際線合計)のうちLCCのシェアは2割弱。米国は3割、欧州は4割程度を占める。日本のLCCは国内線が主体で、親会社の航空大手の経営資源や顧客基盤を生かしたサービス展開を進める。一方でコスト競争が避けられず、海外では再編の動きも進んでいる。