工作機械受注、7〜9月1%減の3600億円 国内向け低迷
日本工作機械工業会(日工会)が9日発表した2024年7〜9月の工作機械受注総額(速報値)は前年同期比1%減の3600億円だった。マイナスは2四半期ぶり。中国の需要回復で海外向けが伸びたが、設備投資に慎重な国内向けが低迷した。
海外向けは3%増の2502億円だった。中国向けが主力のツガミ幹部は「先行きの不透明感は残るが、緩やかに回復している」とみる。欧州向けで前年同月比マイナスが続くなど、地域別ではまだら模様だった。
国内向けは9%減の1097億円だった。マイナスは8四半期連続。牧野フライス製作所の担当者は「足元で半導体関連などの受注は増えたが、全体として急回復する大きな動きはない」と説明する。
9月単体では前年同月比7%減の1252億円だった。マイナスは2カ月連続。海外向けは6%減の834億円だった。オークマの担当者は「米国で航空機・自動車関連が堅調だったが、欧州が低迷している」と話す。
国内向けは7%減の418億円だった。大型受注を獲得した芝浦機械やオークマなどは増えたが、中小企業を中心に需要の低迷は続いている。
日工会の担当者は「受注は堅調だが、全体を押し上げる力強さに欠けている」と分析する。その上で10〜12月の受注見通しは「米欧で開催した大型展示会の効果がどう影響するか注視したい」と話した。