大林組株価が上場来高値 受注増・米企業買収で収益改善
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大林組の株価が上昇している。22日に一時前日比100円50銭(5%)高い2134円を付け、上場来高値を更新した。国内の大型受注の増加や米国の水インフラ企業の買収で収益が改善。証券会社の投資判断引き上げも買い材料視されたもようだ。
関西を地盤とするゼネコン(総合建設会社)大手で、北米やアジアでも事業を展開する。2025年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比8%増の2兆5100億円、純利益は16%増の870億円を見込む。
国内建設事業で大型工事の受注が増え、手持ち工事の採算性も改善している。海外土木事業では、前期に米国現地法人を通じて水処理関連施設の建設を手がける米企業を買収したことも収益増に寄与する。政策保有株の売却も純利益を押し上げる。
SMBC日興証券は21日付のリポートで投資判断を「中立」から「買い」、目標株価を従来の2100円から2400円にそれぞれ引き上げた。川嶋宏樹シニアアナリストは、良好な事業環境が続いているとした上で「建築利益率の回復や政策保有株式の縮減が進むなかで株主還元強化を見込む」と指摘。目標とする自己資本利益率(ROE)10%の達成に向け、自社株買いや特別配当などの可能性が高まっているとみる。
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