国債とは 政府が元利払いを保証、金利は低め
キソから!投資アカデミー 債券・金利⑥
国債は国が発行する債券、借金の証文です。国が返済に責任をもつため、特に自国通貨建てでは安全性が高いとされています。外貨建ての場合は外貨準備が枯渇した場合などに債務不履行になった事例があります。
国債は利払い方式によって利付国債と割引国債に分類されます。利付国債は半年毎に利子が支払われ、満期時に元金が償還される国債です。固定利付型と変動利付型があります。固定利付国債は利子額が一定で、現在の日本では2年、5年、10年、20年、30年、40年の期間のものがあります。変動利付債は利子額が変動します。満期が10年間の変動型個人向け国債や、物価上昇率に応じて元本が変動する物価連動国債などがあります。
割引国債は額面を下回る価格で発行されます。利払いはなく、満期時に額面金額で償還されるのが特徴です。現在発行されているのは国庫短期証券と呼ばれる短期国債で、2カ月、3カ月、6カ月、1年の4種類があります。
個人向け国債は個人が国債を保有しやすくするために導入された商品です。個人でも買いやすいように工夫されており、1万円単位で投資することができます。国の買い取り制度があるため中途換金が可能で、購入金額に上限もありません。
個人向け国債には3種類あります。期間3年と5年の固定金利型、期間10年の変動金利型です。個人が安心して購入できるよう、最低でも年率0.05%の金利が保証されています。変動金利型は半年ごとに金利が見直され、将来、金利が上昇した場合にも不利になりにくいという利点があります。
個人に加えて法人やマンションの管理組合などでも購入できる「新窓販国債」もあります。5万円単位で投資できます。ただし個人向け国債のように国が買い取る制度がないため、中途換金の場合は売却損が出る可能性もあります。
国債を買うには金融機関で債券投資用口座を開設する必要があります。証券会社や郵便局では手数料はかかりませんが、金融機関によっては口座の管理手数料がかかる場合があります。
国債投資で注意が必要なのは、中途換金時のリスクです。国債は株式などと異なり、証券取引所で個人が自由に売買できません。途中換金する場合には証券会社などに買い取ってもらうことになります。その際、満期まで保有する場合より受け取る金額が少なくなる恐れもあります。また、固定利付債の場合は、インフレ時も受け取る利息が変わらないため、物価変動を加味した実質ベースで損をするリスクもあります。