資産7億円、配当は年1700万円 悠々自適な人生を満喫
新NISAで始めよう 憧れの配当生活(1)
かんちさん(ハンドルネーム)は元公務員の専業投資家。13年前に退職してから生活費の全てを株の利益で賄う生活を送っている。
年に1度、証券口座から引き出す生活費は1500万円。コメや金券などの優待品で生活費を節約するので、生活水準は手取り年収1500万円のそれを上回る。
家族サービスもバッチリだ。優待券を使って夫婦で年20泊前後の旅行に出かけている。自宅のリフォームには累計で3000万円近くをかけてきた。クルマも何度か買い替えた。
使っても残高が減らない
こうした生活を支えるのは高配当株だ。証券口座の約6.7億円のほぼ全てが株式で、年間配当は1700万円超。年初からの値上がり益も1億円を超す。
かんちさんは生活費の1500万円以外に、高額の買い物の費用をその都度、証券口座から引き出している。にもかかわらず、配当と値上がり益で口座の残高は年々増え続けている。まさに打ち出の小づち。退職時2億円だった資産は13年間で3倍以上になり、年間配当もほぼ3倍になっている。
配当狙いの株も含めて600銘柄以上の個別株を保有しているが、普段、株価はあまり気にしない。頻繁に売買もしない。主な目的は配当の受け取りだからだ。「配当は株価ほど変動しない。仮に経済ショックで運用資産が半分になっても、配当は2〜3割程度しか減らないだろう。その程度の減配なら、運用収入がゼロでも生活できるし、資産が減ったとしても、持ち続けていればいずれ回復する」(かんちさん)
配当生活を目指す人へ
なんともうらやましい配当生活は、かんちさんが20代から始めた株式投資の結実だ。節約でつくった資金でコツコツと割安株を買い続けてきた。当初は明確な投資の目標がなかったが、資産が増えるにつれ、「暮らしていける配当と優待の獲得」が目標になっていったという。
足元では株価の上昇で全般的に配当利回りが低下している。1年ほど前なら魅力的な高配当株がゴロゴロしていたが、ここから配当生活を目指すならどのような銘柄を買えばいいのだろうか。
「確かにメガバンクなどは今の利回りでは手が出にくい」とかんちさん。「ただ、日本株相場が下がるとは予想していない。むしろ、まだ相当上がるのではないか。配当に伸びしろのある割安な高配当株はたくさん残っている。それをコツコツと買っていけばいいだろう」と言う。
かんちさんが考える有望高配当株の発掘方法は上図の通り。夢の配当生活を目指すならきっと参考になるはずだ。
(本間健司)
[日経マネー2023年10月号の記事を再構成]
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著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP(2023/8/21)
価格 : 800円(税込み)
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