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「株価乱調」の今こそ読みたい投資の名著 厳選9冊

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日経BOOKプラス
2024年8月5日、日経平均株価の終値は3万1458円と前週末比で4451円下落し、過去最大の下げ幅を記録しました。日経平均は7月11日の終値で4万2224円と、史上最高値を更新したばかり。1カ月弱で1万円を超える急落となったかと思えば、次の2営業日では3631円高と、乱高下を続けています。荒れ模様の株式相場に、どう向き合えばいいのか。株価乱調の今だからこそ読みたい投資関連の「日経の本」を、日経BPの書籍部門で部長を務める赤木裕介が紹介します。

「株価はどうやって動くのか」を理解する

お金のことならこの人に聞こう!というわけで、まずお薦めしたいのが、メディアやSNSで大人気の後藤達也さんの著書『転換の時代を生き抜く投資の教科書』です。そもそも株価がどのように動くのか、なぜ米国の経済指標が日本の相場に影響を与えるのか、まさに今知りたい疑問に答えてくれる1冊です。

株価の乱高下と足並みをそろえるように、円相場も急激に変動しています。1ドル=140円台は円安なのか、円高なのか。みずほ銀行の人気エコノミスト、唐鎌大輔さんの『弱い円の正体 仮面の黒字国・日本』は、為替相場の目先の動きではなく、その裏にある構造的な変化をとらえることの重要性を教えてくれます。

相場が上がっても下がっても、道は必ずある

長く投資を続けていれば、株価暴落の局面は必ずある。そんなときこそ慌てて動かず、自分の頭で考えよう――こんなメッセージを送るのが日経プレミアシリーズ『あなたが投資で儲からない理由』です。証券会社で多くの顧客の投資相談にのってきた著者が、投資で成功する人・失敗する人の特徴を教えてくれます。

「株式投資にとって悲観は友、陶酔は敵だ」という名言を残している投資の賢人、ウォーレン・バフェット。その銘柄選びの極意を解説したのが『億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術』です。企業が持つ本質的な価値と比較して割安な銘柄を探す、というバフェット流に従えば、株価の調整局面は、むしろ銘柄選びの良い機会といえるかもしれません。

そんなバフェットが大絶賛するのがハワード・マークス著『投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識』です。市場環境が良くないときに損失を最小限に抑えるにはどうすればいいのか、絶好の投資機会を見つける逆張りの考え方とは、など、不況下でも高い運用成績を残してきた著者の投資哲学が、余すところなく紹介されています。

投資の名著に学ぼう

変動するマーケットに一喜一憂することなく、じっくりと、長期的に投資計画を見直すべき――こんな投資哲学を教えてくれるのが、チャールズ・エリスの『敗者のゲーム[原著第8版]』とバートン・マルキールの『ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第13版> 株式投資の不滅の真理』です。いずれも20年以上売れ続けている投資の超定番書です。NISA(少額投資非課税制度)を始めてみようと思うけれど大丈夫なんだろうか、といった不安をお持ちの方、この2冊で投資の基本原則に触れてみてください。

エリスとマルキールという2人のカリスマによる共著『投資の大原則[第2版] 人生を豊かにするためのヒント』は、エッセンスだけを5つのシンプルなルールとしてまとめています。手っ取り早く結論を知りたい、という方には、こちらがお薦めです。

株式市場はこれまで何度も暴落に見舞われてきました。そして、そのたびに再評価されている名著が経済学者ガルブレイスの『大暴落1929』です。株価暴落からの世界的大恐慌を実体験した著者が、その様子を詳細に描いています。歴史に学ぶために最適な1冊と言えるでしょう。

冒頭の『転換の時代を生き抜く投資の教科書』でも紹介されているジョン・テンプルトンの相場格言に「強気相場は悲観のなかで生まれ、懐疑のなかで成長し、楽観のなかで成熟し、陶酔のなかで消えていく」というものがあります。目先の動きにとらわれず、一歩引いた視点を養うためにも、ここでご紹介した投資本を参考にしていただければと思います。

赤木裕介(あかぎ・ゆうすけ)
日経BP 日経BOOKSユニット 第1編集部部長。1995年入社。日本経済新聞社出版局、日本経済新聞出版社、日経BPにて書籍の編集に携わる。2009年〜2014年「日経会社情報」副編集長。ビジネス書や経営者による著作などを中心に、幅広いジャンルを手掛ける。主な担当書籍は、『ユニクロ』『ネット興亡記』(杉本貴司)、『日経プレミアシリーズ 災厄の絵画史』(中野京子)、『永守流 経営とお金の原則』(永守重信)、『ソニー再生』(平井一夫)、『マンガ 会計の世界史』(田中靖浩)、『ダークサイド・スキル』(木村尚敬)など。

[日経BOOKプラス2024年8月7日付記事を再構成]

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「お金のことを本でも学びたいけど、たくさん出ていてどれを読んだらいいか分からない」。初心者の方からよく聞く話です。そこでこのコーナーでは「お金×書籍」をテーマとして、今読むべきお金の新刊本や古典の名著などを紹介し、あわせてお金の本の著者にも読みどころなどをインタビューします。

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