特定口座とは 税金天引き、確定申告が不要に
キソから!投資アカデミー 株式⑧
株式を取引するのに必要な証券口座には、主に一般口座と特定口座の2つがあります。このうち、証券会社が株式の売却益などにかかる課税について計算や手続きをしてくれる特定口座が個人投資家に人気です。

特定口座は、2003年1月に株式の売却益などに課される税制が確定申告を必要とする申告分離課税に一本化されたことを受け、個人投資家の負担を軽減する狙いで導入されました。口座から税金が天引きされるかどうかでさらに2つのタイプに分かれます。
証券会社が年間の売買損益をまとめて取引報告書を発行し、それに基づき投資家自身で確定申告をするのが「源泉徴収なし口座」です。この場合、口座から税金は天引きされません。
一方、証券会社が取引報告書に基づいて口座から税金を天引きするのが「源泉徴収あり口座」です。証券会社が投資家に代わって税務署に納税します。投資家自身での確定申告は原則不要です。できるだけ確定申告の手続きをしたくない人に便利なタイプです。
ただし、複数の特定口座や一般口座の間で売買損益を通算する場合や、損失の繰越控除の適用を受ける場合などでは、投資家自身で確定申告をする必要があります。
特定口座は、煩雑な税務処理を証券会社が代行することで、個人投資家の証券投資を手助けする制度です。1金融機関につき1口座を開設することができます。窓口のほか、インターネットで申し込みができる証券会社もあります。
特定口座を開設する際の申込手数料や口座の管理手数料はほとんどの場合で発生しません。開設には身分証明書と印鑑が必要です。なお、特定口座の種類は一度決めてしまうと翌年まで変更できないので注意が必要です。
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