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URTKさん、リスクを取った地球株運用で資産2億円に

投信ブロガー

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ブログ「地球PF運用ブログ」を運営する「URTK」さんは、東証上場のメーカーに勤める40代前半の独身男性。都内の賃貸マンション(家賃補助あり)でひとり暮らしをしている。ブログ名の「PF」とはポートフォリオの略称。

入社1年目で休職した際、会社に依存しない生き方を模索して投資に行き着いた。リスクを取って給料の大部分を投資に回し続け、30代で1億円、40代前半で2億円の資産を積み上げたURTKさんの資産運用を聞いた。

休職をきっかけに投資を開始

――投資を始めたきっかけを教えてください。

「2003年に就職しましたが、わずか1年でうつ病を患い会社を休職しました。1年の療養期間中に『これから、会社に依存せずに生きていくにはどうしたらいいか』をじっくりと考えた結果、リスクを取っても投資で資産を増やすしかないという結論にたどり着きました」

「趣味が読書とゲームなので、様々な投資関連の本を読みながらお金や労働について改めて見直しました。現実の資産形成をある種のゲームに見立てて、私のような凡人でも簡単に財産を築ける攻略法を発見し、復職してすぐの05年から投資を始めました」

元手は給料の大部分

――実際の投資方法を教えてください。

「攻略法といっても『なるべく費用をかけずに地球全体の資産を保有する』。ただそれだけです。地球全体の金融資産を市場規模に応じた割合で保有するのが理想です。いわば地球を丸ごと所有するというか、小さな地球のオーナーになります。ただ、会社員として定額の給料をもらっているのは、疑似的に債券を保有している状況に近いので、実際の債券の割合は少なくてもいいと考えました」

「そのため、まずは債券の次に市場規模が大きい株式のみを対象にして投資を始めました。具体的には、日本株投信と外国株投信を時価総額で比例配分したものを『地球株』とみなして、地球株と現金が3対1の割合となるようにしました。最初の資産額は地球株が約75万円、現金が約25万円でした」

「それ以降はひたすら、毎月の手取り給料の7〜8割とボーナスの大半を地球株への投資に回し続けました。加えて、08年秋のリーマン・ショックの際には絶好の買い場が来たと考え、預貯金を取り崩して一括投資しました」

「独身生活でお金をあまり使うことがなく、自家用車などの高額商品もほとんど買っていません。会社の家賃補助制度の恩恵も受け、生活費を最小限に抑えながら、給料の大部分を投資に回すことができました」

「17年に資産が1億円を突破、18年には休職中から考えてきた資産形成の攻略法を姉妹サイト『お金と労働と地球株』にまとめました。通貨制度、資本主義、投資理論などから攻略法を導き出しています。『敗者のゲーム』や『21世紀の資本』など役に立った図書も参考文献として一覧にしています」

地球株から「地球ポートフォリオ」運用へ

――今も地球株投資を続けていますか。

「米国株相場大幅上昇の流れに乗り、昨年にかけて資産が約2億円まで膨らみました。長らく複利の恩恵を得てきましたが、年齢などを考慮して22年5月からは、地球株以外の他の資産を含めた本格的な『地球ポートフォリオ(地球PF)』になるよう少しずつ移行を始めています」

「地球全体の金融資産の時価総額に合わせた資産分散を目指して、地球債、地球不動産(不動産投資信託)、地球商品(コモディティー)とゴールドを組み入れるようにしました」

「それと同時に、運用記録を兼ねた『地球PF運用ブログ』を開設しました。ブログでは毎週、地球PFの最新の運用資産額を開示しています」

――現在の資産配分を教えてください。

「概算で地球株が67%、地球債18%、地球不動産1%、地球商品とゴールドを合わせて5%、現金9%です(2023年6月末時点)」

「現在はまだ地球株の割合が突出しています。地球債の比率は45%ぐらいが理想ですが、債券比率を増やすにしても給料だけでは難しいので、地球株を換金しながら時間をかけて配分を調整していく予定です」

ETFとインデックスファンドに投資

――どのようなファンドを保有していますか。

「上場投資信託(ETF)とインデックスファンドです。なるべくコストをかけずに地球全体の資産に投資できる商品の選択肢がこれらでした(図A)」

「積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)と企業型確定拠出年金(DC)のマッチング拠出は満額まで利用しています。米国上場ETFの分配金は米ドルのまま保持し、今は地球債を増やすために米国債ETFに毎日100ドルずつ積み立てています。全世界債ETFおよび新興国債ETFへの一括投資もしています」

「これまで毎月20万〜30万円程度の投資を愚直に続けてきました。2億円以上の資産を築けたのも、入金力の確保と休職中に考えた『地球ポートフォリオ』運用のおかげだと思っています」

――24年からの新たなNISAはどう活用しますか。

「最短5年で生涯投資枠の1800万円を使い切る予定です。現在、特定口座で保有している全世界株ETFを一部売却して、同様のファンドを新NISAで買い替えるよう検討しています」

「資産運用の出口は会社を辞めた時だと思っています。流動的ですが退職後は仕事につかず、地球PFの運用を続けながら分配金をもらって、不足分は資産を取り崩して生活していく考えです」

まずは運用方針を立てる

――これから投資を始める人たちにアドバイスを。

「投資は運用期間が長ければ長いほど、複利効果が働いてリターンが大きくなる可能性が高くなります。このため少額であっても、なるべく早めに投資し始めることをお勧めします」

「ファンドの選択に悩む場合には、やみくもにファンドを選ぶのではなく、自分自身の運用方針を立ててからファンドを選ぶようにすると選択肢が狭められます」

「私自身は『なるべく費用をかけずに地球全体の資産を保有する』という地球PFの方針を立てた結果、運用コストが安くて、幅広い銘柄に投資するファンドを選択できました。投資を始める方々の参考になればうれしいです」

(QUICK資産運用研究所 聞き手は笹倉友香子、高瀬浩)

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