低利用路線のバス転換必要 複数鉄道会社、国に回答
複数の鉄道会社が、利用者の少ない路線は廃止してバスなど他の交通手段への転換を検討する必要があると考えていることが18日、国土交通省のアンケートで分かった。廃止を検討するケースとして、利用者減で大量輸送という鉄道の特性が発揮できなくなった線区を挙げる回答が目立った。1キロ当たりの1日の平均乗客数(輸送密度)で「4千人未満」や「2千人以下」などと具体的に示した社もあった。
JR各社や私鉄、第三セクターの計41社が回答し、国交省がこの日の有識者検討会で、会社名を伏せて結果を明らかにした。検討会は地方交通網の再構築に向けた議論を進めており、アンケートの結果も踏まえて7月にも方策をまとめる。
国に対しては、鉄道会社と自治体が議論する枠組みづくりや、公共交通維持のための財政支援拡充を求める意見も出た。
ローカル線を巡ってはJR西日本が今月11日、輸送密度2千人未満の17路線30区間の収支が2017~19年度平均で全て赤字だったと明らかにした。沿線自治体と存廃を含めた運営の在り方の協議を進めるとしている。
斉藤鉄夫国交相は「輸送密度で一律に取り扱うことは適当ではない」とした上で、沿線地域との対話を重視する姿勢を強調している。ただアンケートでは、自治体に議論を打診したが時期尚早として断られたと明かした会社もあった。〔共同〕