知的財産権とは 特許や著作物の独占的使用を保護
きょうのことば
▼知的財産権 発明や商標、著作物といった知的な創造活動で生み出したものを創作した人の「財産」として保護する権利を指す。技術やブランドなど形のない資産について権利者はその権利を一定期間独占的に使用することができる。

主に産業財産権と著作権に大別される。産業財産権は「発明」を保護する特許権のほか、「考案」を保護する実用新案権、商品のデザインなどの意匠権、サービスを区別するためにつける文字やマークの商標権がある。これらは特許庁への出願といった国への登録が必要になる。小説や絵画、音楽といった著作者に与えられる著作権は国に登録しなくても創作した時点で自動的に付与される。企業の「営業秘密」や植物の新品種を保護する育成者権なども知財権の一種とされている。
日本企業は知財権を含めた無形資産の適切な評価が進んでいないとの指摘がある。内閣府によると米国はS&P500種株価指数を構成する企業の時価総額のうち、2020年時点で90%を無形資産が占める。日経平均株価を構成する225社の時価総額は無形資産が占める割合が32%にとどまる。
日本経済新聞朝刊「きょうのことば」のバックナンバーを集めたページです。重要ニュースのキーワードを毎日ひとつ選び、解説しています。