国立文楽劇場「11月文楽公演」 男たちの苦闘と明暗
文楽評
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国立文楽劇場は開場40周年を記念して「仮名手本忠臣蔵」の大序から七段目までを通し上演中。ベテラン勢の活躍と、中堅世代の成長で充実している。
第1部は事件の発端で主軸は四段目「塩谷判官切腹の段」。豊竹若太夫・鶴澤清介が上使を迎える緊迫感と大星由良助の到着を待つ焦燥感を緻密に表現。吉田和生の塩谷判官が端然とした佇(たたず)まいを、吉田玉男の由良助は重厚感を描写。
作品の主眼の多くは第2部で展開される...
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