至高のクラシック音楽 欧州に忍び寄るナショナリズム
欧州総局 赤川省吾
クラシック音楽はヨーロッパにとって単なる文化ではない。なかでも歌劇場は芸術の根幹をなすだけでなく、国家や都市の「顔」であり、社交の場であり、現代社会を映す鏡でもある。極右政党の台頭が際立つなか、至高の芸術にも政治の影が忍び寄る。ナショナリズムに傾く欧州の危うい旋律が聞こえてくる。
毎年夏にドイツ南部で開かれるバイロイト音楽祭は最高の格式を誇り、クラシック音楽界の頂点に君臨する。作曲家ワーグナーの...
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いま大きく揺れ動く、世界経済。 自分か。自国か。世界か。このコラムでは、世界各地の記者が現地で起きる出来事を詳しく解説し、世界情勢の動向や見通しを追う。 今後を考えるために、世界の“いま”を読み解くコラム。