英ブリティッシュ航空、短距離便の販売を停止
【ロンドン=佐竹実】英航空大手のブリティッシュ・エアウェイズ(BA)は英国内や欧州向けの短距離便の航空券の販売を少なくとも1週間見合わせる。英メディアが2日、報じた。人手不足に直面するロンドンの英ヒースロー空港が、航空各社に新規販売をやめるよう要請したことに対応する。
英国の空港では、チェックイン窓口や手荷物検査、運搬などを担うスタッフが足りず、急回復する旅客をさばききれなくなっている。新型コロナウイルス禍で大量に解雇した後の採用のペースが需要回復に追いついていない。BAは人手不足による空港の混乱を受け、すでに一部の短距離便をキャンセルしている。4月から10月までの欠航は3万便に上る。
ヒースロー空港は7月、同空港を出発する夏季のチケットを新たに販売しないよう、航空各社に要請していた。混乱を避けるために便数削減も求めており、旅客数を1日10万人に抑える。これに対し、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイを拠点とするエミレーツ航空は「まったく理不尽で受け入れがたい」と反発している。
欧州の空港では人手不足による混乱が相次いでいる。オランダ・アムステルダムのスキポール空港は2日、1日当たりの旅客数の上限を継続すると発表した。9月の出発は6万7500人、10月は6万9500人とする。
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