テスラ、中国で20万台リコール 米でも47万台超
【シリコンバレー=白石武志】米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)は12月30日、電気自動車(EV)大手の米テスラが小型車「モデル3」と高級セダン「モデルS」のトランク開閉に関連する不具合に対処するため計47万台超をリコール(回収・無償修理)すると発表した。同社が一度に実施するリコールとしては過去最大で、2020年の年間世界販売台数に匹敵する規模となる。同31日には中国の当局も同じ2車種で計約20万台のリコールをテスラが届け出たと発表した。
米国でのリコール対象台数の内訳は17~20年式のモデル3が35万6309台、14~21年式のモデルSが11万9009台。NHTSAは不具合に関連する衝突や負傷、死亡事故をテスラは認識していないと説明している。
理由は車種によって異なる。モデル3については後方トランクの開閉によってケーブルが損傷し、運転席のディスプレーに後方カメラの画像が表示されない可能性がある。モデルSでは前方トランクの掛けがねに不具合があり、走行中にフードが警告なしに開いて運転手の視界を妨げ、衝突の危険性を高めるおそれがある。
中国の国家市場監督管理総局も31日、同じモデル3とモデルSについて、テスラが計約20万台のリコールを届け出たと発表した。中国で生産されたモデル3の約14万4000台に加え、輸入したモデル3とモデルSが約5万5000台にのぼる。