カナダの報道機関、OpenAIを提訴 記事の無断利用で

【シリコンバレー=渡辺直樹】カナダの主要メディアは29日、対話型AI(人工知能)「Chat(チャット)GPT」を手がける米新興企業のオープンAIが記事を無断で利用したとして、損害賠償を求め裁判所に提訴した。生成AIの訓練に使うコンテンツをめぐり、米紙ニューヨーク・タイムズやインドの通信社など各地で訴訟が相次いでいる。
国営放送のカナダ放送協会(CBC)、新聞のトロントスター、グローブ・アンド・メール、通信社のカナディアンプレスなど主要メディアが共同でカナダ東部オンタリオ州の裁判所に訴えを起こした。
訴状によると、原告側のメディア各社はオープンAIが著作権に違反しているとして、記事利用の差し止め命令や損害賠償、記事利用への支払いを求めている。オープンAIからコメントは得られていない。
生成AIは利用者からの質問に回答するため、インターネットにある大量のデータを学習している。中には独自のコンテンツを典拠を示さず使ってしまうケースが問題視されている。

ChatGPTは米新興OpenAIが公開した自然な文章を生成する人工知能(AI)。2022年の公開以降、質問に答えて自然な言葉で文章を生成できることで注目されています。