バイデン氏「米国製品を買う」 保護主義の継承鮮明
【ワシントン=鳳山太成】バイデン米大統領は28日の施政方針演説で「米国人の雇用を生み、米国でつくられた米国製品を買うのに米国人の税金を使う」と述べ、保護主義的な姿勢を鮮明にした。中国の通商問題に対処するとしつつも、具体的な政策に踏み込まなかった。
バイデン氏は「『米国雇用計画』の投資は1つの原則が指針となる。バイ・アメリカンだ」と力を込めた。トランプ前大統領が施政方針演説で「米国製品を買い、米国人を雇う原則が指針となる」と語ったのとほぼ同じだ。内向きの姿勢は変わらない。
バイデン氏はインフラ投資で外国製品を使う例外を限定すると強調した。米国は公正な調達ルールを定めた世界貿易機関(WTO)の政府調達協定に加わるが「どんな貿易協定にも違反しない」と正当性を主張した。
通商政策では対中国を取り上げた。国有企業への補助金や、技術や知的財産権の窃取を挙げて「米国は不公正な貿易慣行に立ち向かう」と語気を強めた。中国に構造問題の是正を迫る方法は明示しなかった。
トランプ氏は演説で、関税を使って圧力をかけると表明した。バイデン政権はこれから具体策を問われることになる。
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