Google、米オフィスに1.2兆円投資 労働環境改善狙う
22年、35%増
【シリコンバレー=奥平和行】米グーグルは13日、2022年に約95億ドル(約1兆2000億円)を投じて米国でオフィスやデータセンターを整備すると発表した。投資は21年計画を約35%上回る水準となる。新型コロナウイルスの流行に伴いオフィスの需要が低下するとの見方もあったが、労働環境の改善などのために投資が必要と説明している。
スンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)が公式ブログで発表した。IT(情報技術)大手による独占・寡占などへの警戒が強まるなか、グーグルは米国における投資や経済貢献の大きさを示すデータを毎年公表して、企業活動に対する社会の理解を得ようとしている。
同社は新型コロナの流行に伴い20年3月にカリフォルニア州の本社などを閉鎖して在宅勤務に切り替えた。今月初めに本社を全面再開し、多くの社員が週3日出社するハイブリッド型に移行した経緯がある。ピチャイ氏は投資拡大について「直感に反するようにみえるかもしれないが、製品開発や労働環境の改善、地域社会のために必要」と指摘した。
22年はジョージア州アトランタ市で新たなオフィスを開くほか、カリフォルニア州やニューヨーク市などで拡張に向けた準備を進める。新規雇用は21年より約2割多い1万2000人を計画している。データセンターではジョージア州やテキサス州、ネバダ州などに投資し、サービス利用の拡大に備える。
グーグルは過去5年間に米国の26州で370億ドル超を投資し、オフィスやデータセンターを整備したこともあわせて説明した。この間の新規雇用は4万人超に上るという。米アップルも21年4月、米国における5年間の投資を4300億ドル超に引き上げて一部をオフィスの拡張に充て、物流・生産拠点の整備支援も強化すると公表している。