富士フイルムHD古森会長「やるべきこと終わった」

富士フイルムホールディングスが31日、都内で開いた記者会見には古森重隆会長と助野健児社長、後藤禎一次期社長が出席した。おもなやりとりは次の通り。
――なぜこの時期に退任を決めたのですか。
古森氏「新型コロナウイルスの感染が拡大するなかで感じたのは、会社の耐久力がついたということ。あれこれ言わなくても経営陣、役員、事業所とそれぞれが自分で考え動き出した。会社がかなり強くなったと感じた。経営を担う人材も育ち、私がやるべきことは終わったと考えた」
「社長就任当時から、デジタル化が急速に進むなかで富士フイルムという会社を存続させるのが私の命題だった。リストラに取り組んだ時期もあり、苦しい状況をくぐりぬけてきた。それでも会社が生き生きしていると実感できた。21年間経営に取り組み、これが非常にうれしかった」
――在任期間が長すぎるとの声もあります。
古森氏「結果としての任期は長くなった。(多角化などの事業改革は)やってもやっても物足りなかった。誰がトップをやるのがいいかを考え、自分が続けただけ。会社の成長の阻害要因になっていたなら別だが、そうではない。気力、知力ともまだまだ衰えたとは思わない」
――後藤氏を新社長に選んだ理由は。
古森氏「海外経験が長く、国際感覚に富んでいる。現代の経営者の条件だ。非常に粘り強く、事業を仕上げる遂行力もある。世界でもまれ、事業運営の経験のある彼に任せようとなった」
――富士フイルムHDの今後の目標は何でしょうか。
後藤氏「大きく3つある。ヘルスケア事業の成長、デジタルトランスフォーメーション(DX)、世界で活躍できる人材の強化だ。ヘルスケア分野では20年代半ばに売上高を1兆円に拡大する。M&A(合併・買収)もやりたい」
「私の使命は富士フイルムの未来をつくること。高速通信規格の5Gや脱炭素、自動運転など技術を生かせる領域はまだまだある」
――助野氏が会長兼取締役会議長に就きます。今後の役割分担は。
助野氏「ガバナンス面を中心に新社長をバックアップする。取締役会の果たす役割が大切になっており、執行から若干距離を置き、執行の目指す方向が世の中の価値と合っているか管理・監督していく」
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