NY商品、原油続伸 ロシアの供給懸念で 金も続伸
【NQNニューヨーク=稲場三奈】22日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は続伸した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の1月物は前日比1.14ドル(1.6%)高の1バレル71.24ドルで取引を終えた。ウクライナとロシアの戦闘激化がロシアの原油供給に影響するとの見方が根強く、引き続き相場の支えとなった。
ウクライナとロシアの戦闘が続いている。前日にもロシアのプーチン大統領がウクライナへの攻撃に新型の中距離弾道ミサイル(IRBM)を投入したと発表した。欧州全域を射程に収めるといい、地政学的な緊張が高まることへの警戒が強まっている。
中国が前日に発表した貿易振興策が石油製品の輸入を促進することへの期待も引き続き相場を支えた。市場では、中国やインドといった主要輸入国による石油輸入が回復しているとの見方もある。
S&Pグローバルが22日発表した11月の米国購買担当者景気指数(PMI)速報値はサービス業が57.0と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(55.0)を上回った。製造業は48.8と市場予想と一致。総合は55.3と2年7カ月ぶりの高水準となった。米景気の底堅さを示したと受け止められ、買いが入った面もあった。
一方、11月のユーロ圏PMI速報値は総合指数が前月から悪化し、好不況の境目とされる50を下回った。欧州の景気失速懸念が原油需要に影響するとの見方は上値を抑えた。
ニューヨーク金先物相場は5日続伸した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である12月物は前日比37.3ドル(1.4%)高の1トロイオンス2712.2ドルで取引を終えた。一時は2713.7ドルと、2週間ぶりの高値を付けた。ウクライナ情勢を巡る地政学リスクの高まりを背景に、相対的に安全な資産とされる金の先物への買いが一段と膨らんだ。