ロンドン外為22日 ユーロ、対ドルで下落 ポンドは一時6カ月半ぶり安値
【NQNロンドン=蔭山道子】22日のロンドン外国為替市場でユーロは対ドルで下落し、英国時間16時時点は1ユーロ=1.0410〜20ドルと、前日の同時点に比べ0.0100ドルのユーロ安・ドル高で推移している。英国時間の朝方には一時1.03ドル台前半と、2022年11月以来2年ぶりの安値をつけた。
ウクライナ情勢の緊迫という地政学リスクがくすぶるところに欧州景気の失速懸念が重なり、ドイツ長期金利の低下とともにユーロ売りが膨らんだ。22日に米S&Pグローバルが発表した11月のユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)速報値で総合指数が前月から悪化し、好不況の境目とされる50を下回った。
22日発表されたフランスとドイツの11月PMI速報値では、それぞれ総合指数が市場予想を下回る水準へ低下した。両国の景況感が振るわない背景として、それぞれの国内での政治の不透明感を指摘する声もある。同日発表された11月の米PMI速報値を踏まえて米景気の底堅さが改めて意識されたのも、ユーロ売り・ドル買いを後押しした。
円は対ユーロで上昇し、英国時間16時時点は1ユーロ=161円20〜30銭と前日の同時点に比べ90銭の円高・ユーロ安で推移している。11月のユーロ圏PMI速報値を受け、対円でもユーロ売りが優勢となった。一時は159円台と10月上旬以来の円高・ユーロ安水準をつけた。
英ポンドは対ドルで下落し、英国時間16時時点は1ポンド=1.2520〜30ドルと前日の同時点と比べて0.0090ドルのポンド安・ドル高で推移している。22日に発表された10月の英小売売上高と11月の英PMI速報値がともに市場予想より弱い内容で、ポンド売り・ドル買いを促した。朝方には一時1.24ドル台と今年5月上旬以来、約6カ月半ぶりのポンド安・ドル高水準をつけた。