NY商品、原油小反落 中国経済の減速懸念で 金反発
【NQNニューヨーク=矢内純一】20日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は小幅に反落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の11月物は前週末比0.02ドル安の1バレル57.52ドルで取引を終えた。中国経済の減速懸念に加え、中東の地政学リスクが低下しているとの見方が原油先物の売りを誘った。一時56.35ドルと期近物として5カ月ぶりの安値を付けた。
中国国家統計局が20日発表した2025年7〜9月期の実質国内総生産(GDP)は、前年同期比4.8%増と、4〜6月期(5.2%増)から減速した。主要産油国が供給の拡大を続けるなかで、「経済減速で中国の原油需要が伸び悩むことが改めて懸念された」(スナッパー・クリーク・エナジーのカイル・クーパー氏)との指摘があった。
売り一巡後、原油先物は下げ幅を縮めた。貿易問題を巡る米中の対立が和らぐとの観測が強まっており、20日の米株式相場は上昇した。投資家のリスク回避姿勢が和らいだことは原油先物相場を支えた。
ニューヨーク金先物相場は反発した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である12月物は前週末比146.1ドル(3.5%)高の1トロイオンス4359.4ドルで取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)が来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを決めるとの観測が根強い。金利の付かない資産である金の投資妙味が増すとみた買いが入った。