外為12時 円相場が上昇 149円台後半 米利下げ観測で
9日午前の東京外国為替市場で、円相場は上昇した。12時時点は1ドル=149円90〜92銭と前週末17時時点と比べて19銭の円高・ドル安だった。11月の米雇用統計を受けて米連邦準備理事会(FRB)が12月に追加利下げを決めるとの観測が強まり、日米の金利差縮小を見込んだ円買い・ドル売りが優勢だった。政治の混迷で韓国株の下げが続いているのも「低リスク通貨」とされる円の買いを誘った。
6日発表された11月の米雇用統計では雇用者数の伸びが市場予想を上回ったものの、失業率は10月からやや悪化し、FRBの利下げを妨げる内容ではなかったと受け止められた。米金利先物市場ではFRBが17〜18日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げが決まるとの確率が9割近くまで高まり、円買い・ドル売りにつながった。
円相場は149円70銭近辺まで上げ幅を広げる場面があった。韓国では尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が非常戒厳を宣言して以降、政治が混乱している。9日も韓国株式市場で総合株価指数(KOSPI)が2%程度下落するなど株価が軟調で、日経平均株価も下げに転じる局面では投資家のリスク回避姿勢が強まるとして円買い・ドル売りの勢いが増した。
もっとも、円相場の上値を試す動きも限られた。10時前の中値決済に向けて輸入企業など国内実需筋による円売り・ドル買い観測が意識された。11月の米雇用統計の発表後に円安進行が加速せず、日銀は18〜19日に開く金融政策決定会合で追加利上げを見送るとの観測が強まったのも円相場の重荷となった。
円は対ユーロでも上昇し、12時時点は1ユーロ=158円22〜24銭と、同63銭の円高・ユーロ安だった。
ユーロは対ドルで下落した。12時時点は1ユーロ=1.0554〜55ドルと同0.0029ドルのユーロ安・ドル高だった。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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