リニア静岡県境までの「先進坑」工事再開 山梨県内で
JR東海は8日、リニア中央新幹線の南アルプストンネルの工事を巡り、2024年5月に中断していた山梨県内の「先進坑」の掘削工事を再開した。静岡県境付近まで掘り進め、本格的な工事の前に地質や湧水の状況を調べる。同社は県境から300メートル以内の区間に入る前に湧水などのリスク管理方法を定め、静岡県などに説明する。
先進坑はトンネル本体と並行する断面の小さいトンネルを指す。最終的には作業用トンネルや避難用トンネルとして活用する。山梨県内の先進坑工事は県境から約500メートルの場所で中断していた。
JR東海は24年末に直径十数センチメートルの穴を掘り進める「高速長尺先進ボーリング調査」を静岡県内まで進めたが、山梨県側の穴が崩れて一旦終了していた。調査でわかった地質などの情報を踏まえて先進坑を掘る。先進坑の掘削状況は毎週山梨県や静岡県などに報告するほか、JR東海のホームページでも公表する。
▼リニア中央新幹線 JR東海が2014年に着工した東京と大阪を結ぶ新路線。超電導磁石を使って浮上して走行し、最高時速は約500キロメートルと従来の東海道新幹線の2倍近く。東京・品川から名古屋までの所要時間は現在の約1時間30分から40分に短縮される見通しです。
<2020年6月27日掲載>