春秋(11月8日)
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幕末に咸臨丸で米国に渡った福沢諭吉はその政治風土を肌で感じとって帰国した。「純粋の共和政治にて、事実人民の名代人なる者相会して国政(を議論する)」。後に著作「西洋事情」の中にこう記した。民主主義のある純化された姿をかの国の政治に見たのだろう。
▼木戸孝允はこの書にある米国の「独立宣言」の翻訳を、「読みかたが浅い」と批判した。福沢の訳が原文とかけ離れていたわけではない。もし政府が間違っていたらそれ...
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