CYBERDYNE、ウクライナ復興に医療用ロボ 3.6億円受注
装着型ロボット開発のCYBERDYNE(サイバーダイン)は18日、ウクライナに医療用サイボーグ型装着器具「HAL」を納入すると発表した。国際協力機構(JICA)による同国への復興支援の一環で受注額は約3億6000万円。ロシアとの戦禍で負傷した市民らの機能回復訓練に役立ててもらう。
JICAによるウクライナへのリハビリ機器や医療機器調達業務を受注したオガワ精機(東京・新宿)を通じ46台を納入する。下肢、腕や足の関節、腰のそれぞれの動きを支援する3機種が首都キーウの医療施設で活用されるという。サイバーダインは2025年3月期に売上高約2億5700万円、26年3月期に約1億300万円を計上する。
同社はマレーシアにもHAL3機種65台をレンタルで納入する予定で、海外展開に力を入れている。ウクライナの案件で24年3月期に67%だった海外売上高比率をさらに高める。
HALは脳が体を動かすために発する微弱な生体電位信号を読み取って動くパワードスーツ。重さは約3キログラムで、皮膚に取り付けたセンサーで感知した生体電位信号を内蔵コンピューターが解析し、装着者の動きを助ける。
HALによる訓練は神経細胞の活性化などにも有効という。脊髄損傷などで改善の見込みがないとされた患者がHALを利用した結果、「5年間動かなかった体が3週間で動き始めるなどの効果がある」(山海嘉之社長)。