無線LANで不動産を遠隔監視 NTT東と武蔵コーポが実証
NTT東日本埼玉事業部(さいたま市)は賃貸マンションなどの販売・管理事業を手掛ける武蔵コーポレーション(同市)と連携し、物件を遠隔監視する実証実験を始める。広域で高速通信が可能な無線LAN規格「IEEE 802.11ah」で物件のカメラ映像を遠隔で確認できるようにする。トラブル対応の省力化や時間短縮につなげる。
実証実験は19日から2025年3月末まで実施する予定だ。武蔵コーポレーションが保有する物件10棟に11ahの電波の送受信機を設置し、駐輪場や建物周辺に設置したカメラの映像を同社に送る。データ分析などは同社が担い、回線・設備の提供や環境構築はNTT東が担う。
不法駐車やゴミ置き場の散乱、設備の稼働不良など幅広いトラブル対応に役立てる。トラブル内容によっては映像の確認後に専門業者に依頼して作業にあたってもらうため、武蔵コーポの社員は遠隔での確認作業だけで問題を解決できる可能性もあるという。
NTT東によると、この規格を不動産管理のデジタルトランスフォーメーション(DX)に活用するのは初めてだという。将来的には入居者の防犯や利便性向上への活用も検討する。