新疆報告、40カ国公表反対 人権弁務官が圧力認める

【ジュネーブ=共同】バチェレ国連人権高等弁務官は25日、少数民族のウイグル族への人権侵害が懸念されている中国新疆ウイグル自治区を巡る報告書の公表について「40カ国か、それぐらいの数の国」から反対する書簡を受け取っていたと明らかにした。バチェレ氏は任期満了に伴う8月末の退任までに公表するとしている。
退任を前にした記者会見でバチェレ氏は、公表に賛否双方の立場の国や市民団体から「とてつもなく大きな圧力がかけられてきた」と認めたが「公表の是非は、圧力には左右されないと保証する」と強調した。ロイター通信は7月、中国が報告書の公表を阻止しようとして複数の国に書簡を送るなど、外交工作を展開していたと報じていた。
バチェレ氏は退任前の報告書公表について「約束したことを実現するために尽力している最中だ」と言及。他国に関する報告と同様に、当事国である中国には既に内容を伝達済みで、中国側からの指摘を受け、事実関係について最終確認を行っていると述べた。