アーミテージ元米国務副長官、中国脅威に「強み結束を」
日経・CSIS共催シンポ
元米国務副長官のリチャード・アーミテージ氏は21日、日本経済新聞社と米戦略国際問題研究所(CSIS)が共催した第19回シンポジウム「インド太平洋における新たな秩序構築と日米の役割」にビデオメッセージを寄せた。台湾への軍事的な脅威を強める中国に対して、米国や日本などの同盟国が「リーダーシップをそれぞれの地域や領域で発揮し、強みを結束する必要がある」と提言した。
アーミテージ氏は「結束すれば、我々は経済的、政治的、文化的、そして軍事的に強力だ」と強調した。現時点では中国の習近平(シー・ジンピン)指導部が「米国を攻撃することは考えられない」とも指摘。中国経済の悪化に加え「農業やエネルギーの面で、ロシアのように自給自足できていない」点など理由に挙げた。
台湾有事を防ぐためにも、ロシアからの侵攻を受けるウクライナへの支援を継続することの重要性も訴えた。米国がベトナムやアフガニスタンでの戦争で勝ち切れなかったように、「大国はほとんどの場合、小国に勝てない」ということを中国に示せると語った。
結束強化に向け、米国が貿易協定に参加すべきだとの認識も示した。環太平洋経済連携協定(TPP)について、 バイデン米政権が「テーブルの正しい位置に着くべきだ」とし、参加を呼びかけた。